
アリエクスプレスで販売されている商品は、誰もが買い物をするため見ていますが、もう一つの楽しみ方があると私は思います。それは、文化の違いを楽しむことです。
日本人ユーザーならば、『なんでこんなものが、ごくごく当たり前のように売られているのだろう』と一度くらいは感じたことがあるはず。その違和感の正体は文化の違いだと思うのです。
これまで、私はアリエクスプレスの奇妙な商品について、色々と書いてまいりました。それをひとまとめして、カテゴリー別に分類してみました。ぜひ、その異様さを感じ取っていただければ幸いです。ちなみに、このページの商品は全て、買う価値のない商品ですので、予め、ご了承ください。
第一展示室:【怪異の間】AIの翻訳ミスや文化の勘違いが生んだ、シュールな珍品の数々

仮面舞踏会のはずが、能面と般若とタイガーマスクになっていた話

アリエクスプレスでパーティー用マスクと検索すると出現するのが上の画像です。
日本人の感覚では、華やかな社交界で使用するのがパーティー用マスクだと想像しますが、タイガーマスク風覆面に能面、般若が当たり前に出現するアリエクスプレスは、やはり異様です。
しかも、タイガーマスクは特に出来が悪く、かといって、能面も般若も似たようなものですが、翻訳のズレと文化の違いが重なると、パーティー用品売り場ですらここまで妙な景色になるようです。
4〜6歳向けにしては、だいぶ攻めすぎている人体標本パズル

子ども向けパズルが数多く販売されているアリエクスプレスですが、対象年齢は4〜6歳用として販売されているのが人体標本パズルです。
小学校低学年だと理科室で見たその日の晩に夢へ出てきてしまうアレが、パズルとして販売されています。
しかも内臓や各部位を分解して組み直せる仕様で、医者を目指すお子様が出てきそうな一方で、猟奇的なことにやたらと興味がわいてしまわないかと心配にもなります。
北極なのか南極なのかも分からない『南極すご蝦油』

商品名には北極、画像には南極、説明文には釣りと銀鯉と『ワインの魅力を殺す』という謎の言葉が並ぶこの商品。
どうやら釣り用の液体らしいのですが、読めば読むほど何の商品なのか分からなくなります。何がどうやってこのような翻訳になるのか皆目見当も付きませんが、何かが違うことだけはよく分かります。
アリエクスプレスで今っぽコーデが即完成するトレンド服が優秀すぎる
第二展示室:【無法の通路】権利や常識を豪快に踏み越えた、権利の墓場

レトロ看板の延長で、なぜか居酒屋の販促チラシまで商品化

アリエクスプレスでは、日本風の看板やステッカーが人気らしく、レトロな看板風デザインの商品が大量に売られています。
ところが、中には雰囲気のある意匠ですらなく、日本の居酒屋や焼肉店のチラシをそのまま持ってきたようなステッカーまで混ざっています。
日本人には販促物の流用にしか見えないのに、海外では「日本っぽい装飾」として成立しているあたりに、雑で強引な需要の存在を感じます。
どう見てもスヌーピーなのに、商品名だけが頑なにスヌーピーと言わない

このぬいぐるみは、誰がどう見てもスヌーピーです。しかし、アリエクスプレスでは、
『漫画の豪華な枕,女の子のためのぬいぐるみ,柔らかい人形,ティッシュの収納ボックス』
『カワイイエコノピコットンドール、かわいいおもちゃ、車のティッシュボックス機能』
『小さな女の子のための大きなぬいぐるみ,家の装飾,クリスマスの贈り物』
と、頑なにスヌーピーと表記しません。妙に遠回しな表現ばかりが並び、売る側も買う側も察して理解するしかないのがアリエクスプレスのスヌーピーのぬいぐるみなのです。
名称を変えれば大丈夫だと思っていそうな餃子バッグ

アリエクスプレスでは、有名ブランドや量販店の商品のパチモノが、名前だけを変えて売られていることがあります。
このバッグも形はどう見ても見覚えのある三日月型なのに、ある時期から商品名が突然『餃子バッグ』に変わっていました。
確かに言われてみれば餃子にも見えますが、名称変更だけで別物を装おうとする発想があまりにも雑で、かえって印象に残ります。
さすがにそこは手を出さないと思っていたキャラクターまで商品化

アリエクスプレスでは日本のアニメやキャラクターの無許可グッズが大量に売られていますが、ついには日本人なら普通は避けそうな、あの警察キャラクターまで商品化されていました。
Tシャツや帽子など見た目はそれと分かるのに、微妙に表現だけをずらして売られているあたりが実に雑です。
権利を無視するにしても、アンタッチャブルなところにもずけずけと行ける精神は見上げたものです。
アリエクスプレスで見つけたDIY効率が一気に上がる便利すぎる工具セット
第三展示室:【裏街道の歴史】昭和の闇市を彷彿とさせる、非合法の系譜

ジーコサッカーを改造したあの非合法スーファミソフト

90年代に特殊な経緯で流通した非合法のスーパーファミコン用ソフトが、なぜか今になってアリエクスプレスで再び売られていました。
背景を説明し始めると長くなるタイプの話なので、ここでは概要だけにとどめます。詳しくはリンク先の記事の方が分かりやすいです。ジーコサッカーを改造した、あの非合法スーファミソフトがアリエクスプレスで売られていた話
丁半で無敵になれそうなイカサマサイコロ

アリエクスプレスには、サイコロの出目を手元に知らせる仕組みを持った、現代版のグラ賽のような商品までありました。表向きは手品グッズ風ですが、値段も機能も妙に本格的で、どうしても別の使い道を想像してしまいます。細かい話はリンク先の記事に譲ります。丁半で無敵になれそうなグラ賽(イカサマサイコロ)がアリエクスプレスで売られていた話
アリエクスプレスの広告塔・ベッカムに通ずるファミリーエース

アリエクスプレスがベッカムを広告塔に起用したというニュースを見て、なぜか昔のファミコン周辺機器の怪しい広告を思い出しました。
一見まったく別の話なのに、著名人と微妙な商品イメージの組み合わせという点では妙に似ています。細かい背景はリンク先の記事に譲ります。アリエクスプレスのベッカム起用で、ダビング機・ファミリー・エースを鮮明に思い出した話
海賊版の海賊版を売るゲーム販売店

アリエクスプレスでは、かつて非公式に流通していたレトロゲームの海賊版ソフトを、さらにコピーしたような商品まで売られていました。
出自の時点でかなり怪しいものが、時間を経てまた別の形で複製されている構図が妙にややこしいです。詳しい背景は元記事をご覧ください。海賊版の海賊版を売るアリエクスプレスのゲーム販売店の話
アリエクスプレスに存在しないから真のレアゲーム

アリエクスプレスでは多くのレトロゲームがレプリカ化されているのに、なぜか特定の一本だけは見つかりませんでした。
コピー品すら出回っていないことが、かえってそのソフトの希少さを際立たせているという、少しねじれた話です。詳しい経緯は元記事をご覧ください。アリエクスプレスに存在しないからこそ最もレアだと思えたゲームソフトの話
アリエクスプレスでレビュー高評価すぎて思わず買った神コスメがやばい
第四展示室:【生存の知恵】防犯か、凶器か。サバイバル精神が生んだ過剰な道具

災害時に役立ちそうで、実際はまったく役に立たない手回し式充電器

災害時の備えとして、電気がなくてもスマホを充電できる手回し式充電器は一見かなり頼もしく見えます。
ところがアリエクスプレスで売られていた安価な製品は、実際には発電性能以前に本体の作りがあまりにも弱く、回し始めてすぐに壊れてしまいました。
仮に壊れなかったとしても、スマホを充電できるだけの電力を安定して生み出すのは現実的ではなく、非常用品としてはほとんど期待できない商品でした。
車を守る道具のはずが、簡単に壊れるハンドルロック

車の盗難対策として使われるハンドルロックは、本来なら簡単に壊せない頑丈さがあってこそ意味があります。
ところがアリエクスプレスで売られていた格安品の中には、固定部分にプラスチックが使われていて、少し力をかけるだけで破損してしまうものがあるようでした。
見た目はそれらしくても、防犯用品として最も大事な部分が弱ければ意味がなく、安さだけで選ぶ危うさがよく分かる商品です。
スタイリッシュでソリューションなまきびし

アリエクスプレスでは、ときどき用途そのものがかなり危うい商品が、妙に洗練された言葉で売られていることがあります。
これも見た目や説明文だけはもっともらしいものの、実際には人や車両に被害を与えかねない危険な品でした。言い方を飾っていても本質は変わらず、笑い話では済まないタイプの商品です。
脱出より戦闘向きにしか見えない緊急用ハンマー

車の水没や転落時に備える緊急脱出用ハンマーは、本来なら非常時に窓ガラスを割って逃げるための安全用品です。
ところがアリエクスプレスで見かけるものの中には、必要以上に攻撃的な見た目をしていて、脱出用というより別の用途を連想させる商品が少なくありませんでした。
機能よりも物騒さが前面に出ていて、安全用品として見るにはかなり違和感のある品です。
アリエクスプレスで見つけた生活が一気に快適になる最新ガジェットがすごい
第五展示室:【秘宝間メインコーナー】大人の悪ふざけと無用の長物

暖かそうを通り越してやり過ぎのもこもこ商品

アリエクスプレスでは、防寒や高級感を演出したいのか、もこもこ感を必要以上に盛った商品がやたらと見つかります。
服にしても車用品にしても、暖かそうというより先に、重そう、扱いづらそう、あるいは画像を盛りすぎではないかという印象が立ってしまうものばかりです。
実物は写真ほどではないという声も多く、見た目のインパクトだけが先走っている商品群でした。
安全運転なんてクソくらえな防寒具

アリエクスプレスには、スクーターに乗る人を丸ごと覆ってしまうような極端な防寒具まで売られていました。
寒さをしのぐという目的だけを見れば理にかなっているようでいて、実際には動きにくさや視界、風の影響など、安全面の不安が先に立つ作りです。
快適さを優先しすぎた結果、運転に必要なものがいろいろ削られてしまったように見える商品でした。
使い方以前に、見た目だけで通報されそうな健康グッズ

アリエクスプレスには、日本ではまず見かけない発想の健康グッズが時々ありますが、これはその中でもかなり強烈な部類でした。
首を伸ばすための器具らしいものの、使用イメージがあまりにも物騒で、事情を知らない人が見たら別の事態にしか見えません。
目的そのものより、どう見えるかへの配慮が完全に抜け落ちているあたりが、いかにもアリエクスプレスらしい商品です。
同乗者の股間まで快適にできるカーエアコン用ダクト

アリエクスプレスには車内の快適性を高めるための用品が数多くありますが、これはその中でも発想がかなり独特でした。
エアコンの風を特定の場所へ直接送るという仕組み自体は単純でも、実際の使い方を想像すると見た目も実用性もかなり怪しく、便利グッズというより珍品に近い印象です。
快適さを追求した結果、かえって全体のバランスがおかしくなっている商品でした。
ドラえもんのひみつ道具みたいな自動マッサージ機

マッサージ機といえば手持ち型やチェア型を思い浮かべますが、アリエクスプレスにはそれとはかなり違う、自動で全身を相手にする未来感の強い機械まで売られていました。
見た目はまるで昔の漫画や昭和の未来予想図からそのまま出てきたようで、実用品でありながら妙なロマンがあります。
珍品というより、空想の機械がそのまま現実に出てきたような面白さのある商品でした。
アリエクスプレスで見つけた安いのに高見えしすぎる神アパレルアイテム
別館:【絶望と夢の実験場】200円のゴミから、50万円の謎の機械まで

便利そうではあるのに、扱いに困りそうな電動スーツケース

アリエクスプレスには、スーツケースにそのまま乗って移動できる電動タイプまで売られていました。
見た目のインパクトだけでなく、実際に便利そうだと思わせる要素もある一方で、日本では使える場所や扱いがかなり限られそうです。
発想は面白く、少し未来っぽさもあるのに、現実のルールや安全面を考えると素直には飛びつきにくい商品でした。
見た目だけ整えるつもりが、かなり危ういものだった歯のカバー

歯並びを手軽にきれいに見せるという発想は分かりやすいのですが、実際には自然さも安全面も不安が残る商品でした。
口に入れるものだけに、安さだけで選ぶのはかなり危険です。見た目の悩みを簡単に解決できるほど甘くはないと感じます。
売れない珍品が消えていくアリエクスプレスは寂しい

売れ筋中心になって探しやすくなるのは便利ですが、そのぶん以前のような突拍子もない珍品は減っていきます。
買わなくても面白かった商品が消えるのは、正しい変化ですが、使いやすさと引き換えに、メリーゴーラウンドを見かけなくなったのは寂しいです。
アリエクスプレスの珍品で奇妙な商品の数々・総評

アリエクスプレスの商品の中には、書くのが難しい商品が実はいくつもあって、特にアダルトな商品なんて、笑いの宝庫なのですが、なかなか書きづらいのです。
その中でも、ここで取り上げた商品は、割と無難でありつつ、日本の文化とは大きく異なるものばかりなので、異質さだけは伝わると思います。
アリエクスプレスは買い物をするためのECサイトであることに間違いはありません。しかし、文化の違いを手軽に感じられる一面もありますので、少し違う視点でもアリエクスプレスをご覧になってみてください。
今回の話に近いものが下にあります



