
AliExpressは様々な商品が売られていますが、自動車用洪水対策カバーという商品が販売されていました。台風やゲリラ豪雨で短時間に大量の雨が降る世の中なのは、日本も中国も同様なようで、この商品は、人々の移動手段でもあり財産でもある自動車を洪水から守るグッズだとのこと。
この巨大なビニール袋で車をすっぽり包み込めば、もしもの洪水が発生したとしても水没を免れる、というのがこの商品の売りで、中国国内では割と売れているようなのです。

「お父さん、これからゲリラ豪雨が来るって天気予報で言ってますよ」
「そうなのか。じゃあ、今からビニールに包んでおいた方が安心だな。買ったばかりの新車だから、流されないように、街路樹にでもロープでくくり付けておかなきゃなあ、母さん」
なんて会話をしつつ、このビニールを使っている姿を想像すると、様々な『なぜ』しか思い浮かびません。

まず、このビニールに車を入れるのは、飼い犬に雨合羽を着させるのとはわけが違います。全長7メーターもあるビニールをまずは地面に置き、車をビニールの中に入れる作業は一人では絶対にできそうもありません。ましてや、もう雨が降っていたのなら、想像しただけで面倒です。
どうにかこうにかビニールの中に車を入れました。水が入らないように入口を固くふん縛り、水にぷかぷか浮いて流されたら、それだけで殺人兵器になってしまいますから、ボートと同じ要領で係留しなければならず、それなりに丈夫なロープも必要です。

そして、準備万端の中で本当に洪水が発生しました。でも、ビニール袋に入れてあるから大丈夫となるのでしょうか?あたり一面が水没しているのなら、流木、標識などいろいろなものが流されてきます。そこにぷかぷか浮いている車入りビニール袋に流木が突き刺さったら、全ての苦労はその時点水の泡、ゲームオーバーだと思うのです。
この商品の理想や理念は十二分に理解できます。でも、通りすがりの泥棒を捕まえるために、玄関先に金をばらまいておくような本末転倒そのものであり、一難去ってまた一難を勝手に呼び込んでしまうタイプです。

この商品ページには「多目的車の洪水防御カバー」「屋外車両保管用」と書かれています。ですから、屋外に駐車している車を、洪水から守るためのカバーであることは間違いありません。
中国では、近年の気候変動により、都市部での洪水被害が増えていて、地下駐車場が水没し、車が廃車になるケースも珍しくないからこそ、「洪水が来る前に車を袋に入れておけば、オールOK」という発想になったのでしょう。
この発想自体は酷いものではないのですが、その手段には多くの問題を抱えています。

まず第一に、作業の非現実性です。 洪水が来る直前に入れるとなれば、大抵、大雨と強風が伴います。そんな中で、巨大なビニールを広げ、車全体を包み、ロープで固定する作業なんて無茶ですし、一人二人での作業ではなく、最低五人は欲しい作業内容です。
第二には、耐久性への疑問です。 流木に無数のゴミ、石、土砂が大量に流れ続ける中で、ビニールに1mmの傷でも入ったら一気に水が入って、車は水没です。水には浮いても、ゴミからは一切守れないのです。
第三は、撤収時のリスクです。 車は無事だったからビニール袋を取り外そうとの作業が難問です。水を含んだ巨大なビニールは重く、破れやすくなっています。強度もかなり低下しているでしょうし、結局は使い捨てで、その使い捨てビニール袋に1.5万円を払えるか否かがこの商品の本質です。

この商品は、一見すると、良さそうに見える面とふざけた面が同居する、非常に珍しい商品です。
近年の洪水対策への関心の高さに加え、保険になりそうな感覚になるフォルムも相まって、購入しておいた方が良いような感覚にさせられます。
でも、それはきっと錯覚で、露天のバッタものを掴まされた感覚と一緒なんだと思います。
💰【裏技】Choiceの価格変動を攻略!安いタイミングを見逃すな
今回の話に近いものが下にあります👇








よくある質問(Q&A)
Q. この商品は実際に効果があるのですか?
A. 洪水から車を完全に守れるかは疑問です。流木やごみでビニールが破れる可能性があり、作業自体も大雨と強風の中で行うのは現実的ではありません。ただし、「保険」としての心理的満足を提供する商品としては、一定の意味があると考えられます。
Q. なぜこんな商品が売られているのですか?
A. 防災用品市場の拡大、保険としての心理、SNS拡散による無料の広告効果——これらの要因が重なっています。実際に使うかどうかよりも、「持っている安心感」を買う商品です。
Q. AliExpressには、他にもこうした商品がありますか?
A. あります。フライパン型スマホケース、ピザ型クッション、寿司型文具など、奇抜なデザインの商品は多数存在します。こうした商品は、単品で大量に売れるわけではありませんが、長期的にじわじわ売れることを前提としたポートフォリオ戦略で成り立っています。
