
壁のコンセントが壊れたのがきっかけで修理方法を調べていると、自宅であっても資格がなければ電気工事はできないことを知り、コンセント交換を業者に頼んだら5,000円かかりました。自分でできるのに、資格がないからできない、そのもどかしさから第二種電気工事士を独学で取ることにしたのです。できるだけお気楽で、労力や苦労することなく簡単に。
第二種電気工事士は独学で合格できるのか

結論から言います。独学で十分合格できます。ただし、ゼロ知識の無対策では普通に落ちます。
第二種電気工事士は国家資格ですが、受験資格のハードルは高くありません。学科試験は50問中30問以上の正解で合格、技能試験は公表された13問の候補問題から出題されます。数字だけ見ると簡単そうに見えますが、何も知らない人が準備なしで受かるほど甘くはありません。
ただし、出題範囲やパターンはかなり限られているので、やることを絞れば十分勝負できます。私は電気の知識がほぼゼロの状態から始めて、最終的に学科試験で自己採点96点(50問中48問正解)(※合格ラインは60点・50問中30問正解)まで取れました。やることを絞れば、過度に難しい試験ではないと実感しました。
お気楽に合格するとは、手を抜くことではなくやることを絞ること
「お気楽に合格する」と書くと、「勉強しなくていいんでしょ?」と思われるかもしれませんが、そういう意味ではありません。
私が言う「お気楽」とは、満点を捨てて合格点に必要なことだけに集中する戦略です。
- 1日30分以上は絶対に勉強しない
- その代わり、5分の日でもいいから絶対に毎日続ける
- 勉強を苦行にしないことが、継続には重要
- 過去問、複線図、技能の欠陥対策など、点に直結するものへ集中
この「やることを絞る」という考え方が、結果的に一番効率的でした。
学科試験は過去問中心で十分合格圏に入れる
最初は参考書を買いましたが、広く浅く色々と覚えることが多くて、効率が悪いと感じました。そこで過去問を見てみると、出題パターンがかなり固定されていることにすぐに気づきました。
私がやったのは、ホーザンの過去問サイトを毎日解くことです。解説文を繰り返し読むことで、ノートを作らなくても自然に覚えられ、3週間ほどで正解率が急に上がる感覚がありました。その後は実際の過去問題を解いて、安定して高得点が取れる状態になりました。
2か月間、1日最大30分の学習で合格できるレベルの学科試験対策ができ、少なくとも私は、過去問中心の学習が一番効率的に思えました。学科試験は、参考書を読み込むのではなく、過去問の反復で取る試験なのだと実感しています。
計算問題は捨てないほうがいい

学科試験で計算問題は難しいから捨てる、といった戦略も聞かれますが、私はそれに反対です。
なぜなら、高度な数学なんてものは一切出題されず、解き方の型を知っていれば対応できる問題ばかりで、小学生レベルの掛け算・割り算と公式さえ覚えれば十分な問題がほとんどです。
過去問を解いていると、数字だけ変えたような問題が多いことに気づき、中には数字すら変わらない問題まで当たり前のように出題されるのです。この計算問題で唯一の壁は電卓が使えないことで、手計算なんて実社会で一切やりませんから、手計算で解く練習をしておいた方が計算間違いが起こりません。
複線図はどう覚える? 動画で理解するのが早い

電気工事士の試験で複線図は最初の大きな壁になるかもしれません。まず、初めの一歩が理解できず、なぜ1本の線が複数に増えるのかがわかりづらいのです。
私が助けられたのはYouTubeの技能試験対策動画です。YouTubeで「第二種電気工事士 複線図」「第二種電気工事士 技能 複線図」と検索すると解説動画が見つかりまして、私は特に、ホーザンのお姉さんが複線図を書きながら説明してくれる動画が分かりやすかったです。
複線図を書いてから作業に入る技能試験の動画は、学科と技能の両方につながります。複線図は技能試験で必須の知識ですし、学科でも得点配分が大きめの箇所ですので、動画を見ながら実際に紙へ書くのを繰り返すと、嫌でも自然に身についてしまいます。
技能試験で必要な工具は? まずは基本工具を揃える

学科試験対策そのものは、無料の過去問サイトを活用すればかなり費用を抑えられ、教材費をほとんどかけずに学科対策を進めることは可能です。しかし、技能試験は工具、それも必須アイテムとなる工具がいくつか必要になるので揃える必要があります。
| 工具名 | 位置づけ | 備考 |
|---|---|---|
| 電工ペンチ | 基本工具 | 切断や曲げなど基本作業で使う |
| ニッパ | 基本工具 | 電線の切断で使う |
| 圧着工具(JIS認定) | 必須級 | 規定の刻印が必要。試験用として最重要の工具 |
| ケーブルストリッパー | 強く推奨 | 被覆剥きの主力。あると作業効率が高い |
| ドライバー | 基本工具 | 器具への接続に使う |
| 電工ナイフ | あると安心 | 加工やリカバリーで役立つ |
| スケールまたは布尺 | あると安心 | 寸法確認に使う |
| ウォータープライヤー | 使用頻度は低め | セットに入っていることが多いが、私は出番が少なかった |
特に圧着工具はJIS認定のものを必ず用意してください。規定の刻印が打てない工具では、施工条件を満たせないため確実に不合格になります。試験用としては、JIS認定品を必ず用意してください。
ホーザンの工具セットはまとめて揃えるには手堅い選択肢です。ただし、私は中古を買って後悔しました。特にストリッパーの刃が弱っていて、試験当日には被覆がまともに剥けなくなりました。新品との差額が2,000円程度なら、素直に新品を買った方が結果的に安くつきます。
技能試験で作業がかなり楽になるおすすめ品
必須ではないですが、持っているだけで作業がかなり安定するものがあります。
| アイテム名 | おすすめ度 | 価格の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 合格ゲージ | 推奨 | 数百円程度 | 長さ確認が速くなり作業の流れを止めにくい |
| 輪作り用ペンチ | 強く推奨 | 1,000円前後 | 輪作りの失敗がかなり減る。不器用な人ほど楽になると思う |
| ワークマンのウレタン背抜き手袋(グレー) | 強く推奨 | 100円前後 | 指先の怪我防止。練習時から着用した方がよい |
輪作り用ペンチは、本来はジュエリー加工で使うものですが、これを使うと輪作りの失敗がかなり減ります。被覆を20mm剥いた銅線を一度直角に曲げ、ペンチの根元から1mmほどの場所で掴んで円錐状の部分に巻き付けるだけ。慣れていない人でも輪作りがかなりやりやすくなります。
手袋は最初から着けることをおすすめします。練習中に電線で指先を切って出血することがよくありますが、絆創膏を貼るとかえって作業しづらくなります。ワークマンのウレタン背抜き手袋(グレー)は作業性を損なわず、指先を守ってくれます。
技能試験の練習はどう進める? 最初の1か月は動画、後半1か月は実戦
工具と部材を揃えたらすぐ作りたくなりますが、最初は動画視聴だけを何回も行い、イメージを固めることが重要です。
| 期間 | 学習内容 | 目的 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 学科試験後の前半1か月 | 候補問題の動画視聴、複線図の練習 | 全体像の理解、手順の暗記 | まずは目で覚える。作業はまだしない |
| 技能試験前の後半1か月 | 実物を使った組立練習、時間計測 | 手先の慣れ、時間配分、欠陥防止 | 候補問題7は作業量が多く、最初の練習台にしやすい |
いきなり実戦だと、私のようなド素人は40分で組み上げることは完全に無理ですので、私は最初の1か月は実際に手を動かさず、動画を真剣に30分間見続けるだけにしました。電線の長さ、接続方法、作る順番をまず頭に入れたのです。
見ていたのは、日本エネルギー管理センター事務局の技能試験公表問題作業解説の動画で、候補問題1から13までを日々視聴し、各部材の寸法や接続方法を目から覚えました。
後半1か月になって初めて実際の候補問題を組み始めまして、最初にやったのは候補問題7です。この問題は電線同士の接続は単純ですが、作業量が他の問題より多いため、最初の練習台として最適です。私が初めて組んだ時は39分、試験でしたら残り1分前のギリギリで完成するも、慌ててやったせいで接続ミスがあり、実戦なら完璧に不合格でした。
技能試験は30分以内で作る練習をすると本番がかなり楽になる

本番の制限時間は40分ですが、私は30分以内に完成させることを最大の目標にしました。
なぜなら、1日30分しか勉強や作業を行わないと決めていたからですが、この縛りが結果的に作業を速く正確に進める訓練となるのです。30分以内で余裕で作れるようになると、本番の制限時間40分ではかなり落ち着いて作業が行え、見直しも余裕でできて初歩的なミスも減ります。
最終的にはどの候補問題も20〜25分で組めるようになりましたので、これは30分以内に終わらせるとの習慣が身に付いたことが非常に大きいのです。
技能試験で不合格になる欠陥の判断基準とは? 最大の対策は欠陥を出さないこと
技能試験は少しのミスで不合格になる厳しさがありますが、何をすると不合格になるかは「欠陥の判断基準」として、事前にわざわざ公開してくれているのです。
「電気工事士技能試験 欠陥の判断基準」で検索すると、公式サイトのPDFが見つかり、そこには不合格になる判断基準と画像を使った事例が掲載されています。
これを主催者が事細かに不合格になる事象を丁寧に教えてくれているので、受験者は絶対に見ておくべきページです。欠陥の判断基準をよく理解すると、それらの事案を起こさなければ、ちゃんと合格できるということになるのです。
第二種電気工事士は合格しても、すぐ工事ができるようになるわけではない

この勉強法はあくまで試験に受かるための攻略法で、実際に安全に工事するための知識や判断力は別に必要です。私も合格しましたが、工事や電気のことなんて、ほとんどわかっておりません。
昔、原付免許を取った時に、試験に受かるためだけに裏校で丸暗記して合格したのと大して変わらず、交通ルールを分からず、すぐに切符を切られたことを思い出すのです。第二種電気工事士で合格のための勉強と、実際に使える知識を身につけることは全くの別なのです。
まとめ
- 第二種電気工事士は独学でも十分狙える
- 1日30分でも、毎日続けてやることを絞れば学科も技能も合格圏
- 学科は過去問、複線図は動画、技能は欠陥の判断基準対策が鍵
- 工具や練習材料にはある程度お金がかかるが、落ちる方が高くつく
- ただし、合格と実務力は別なので、そこは勘違いしない方がいい
FAQ
Q1. 第二種電気工事士は独学で合格できますか?
A. はい、独学でも十分合格は狙えます。ただし、ゼロ知識のまま無対策で受かるほど甘くはなく、過去問と技能対策を絞って進めることが大切です。
Q2. 勉強時間はどれくらい必要ですか?
A. 私の場合は、学科試験に約2か月、技能試験にも約2か月、どちらも1日30分を目安に学習しました。合計の学習期間はある程度必要ですが、毎日少しずつでも十分合格は狙えます。
Q3. 学科試験は過去問だけで大丈夫ですか?
A. 基本的には、過去問中心で十分合格圏は狙えます。少なくとも私は、過去問とその解説を反復する学習が一番効率的でした。
Q4. 技能試験で必要な工具は何ですか?
A. 電工ペンチ、ニッパ、JIS認定の圧着工具、ケーブルストリッパー、ドライバーなどが基本工具です。電工ナイフやスケールもあると安心です。ホーザンの工具セットが手堅い選択肢です。
Q5. 資格取得にかかる費用はどれくらいですか?
A. 2026年度の受験手数料は、インターネット申込みで11,100円、書面申込みで12,500円です。これとは別に、技能試験用の工具や練習用部材代がかかります。独学でも、全体では数万円単位の出費は見ておいた方が安心です。
Q6. 合格したらすぐに電気工事ができますか?
A. いいえ。試験合格と実際の工事スキルは別物です。資格取得後も安全な工事のための知識や訓練が別途必要です。
次回:第一種電気工事士試験は第二種より難しいのか?第二種合格者が受けて分かった本当の難易度
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