
AliExpressで毎年11月11日に行われる11.11セール、別名・独身者の日セール。
「1が4つ並ぶから独身」という由来は知られていても、なぜ独身の日がショッピングイベントになったのか?は意外と知られていません。

実は11.11セール、2009年にアリババがやむを得ず始めた、場当たり的なイベントだったのです。
独身者の日セール(光棍節)の起源は、1993年の南京大学の学生文化にあると言われ、学生たちが11月11日の「1」が4本並ぶ姿を「棒立ち(独身)」に見立てて始めたイベントです。
当初は、独身であることを自虐的ながらも、楽しく祝うための学生文化に過ぎなかったのです。

2009年、当時の淘宝商城(現在の天猫・Tmall)の責任者だった張勇は、ある課題を抱えていました。淘宝商城は「淘宝(タオバオ)」という巨大な名前の影に隠れ、その存在感は極めて薄く、売り上げも低迷していました。そこで彼は、アメリカの「ブラックフライデー」に相当する中国版のセール日を作ろうと考えました。
日付を11月11日に選んだのは、本当にただの偶然で、11月11日は独身の日だと知り、「独身者は孤独で、ネットで買い物でもするだろう」という理由を後付けする形でセール日が決定しました。

では、なぜ新たなセール開催に11月が選ばれたのか?
11月は季節の変わり目で、衣服や布団を厚いものに替える時期にあたり、消費者の需要がもともとあったことが一つ。クリスマスまでセールのない空白地帯だったのが2つ。それと、1111と見た目にも覚えやすかったの3つと、どれをとっても深い理由はありませんでした。
| 要因 | 内容 | 性質 |
|---|---|---|
| 季節要因 | 衣服や寝具の買い替え時期で、消費需要が見込めた | 実務的 |
| カレンダー要因 | 10月の国慶節と12月商戦の間で、大きな販促の空白期だった | 実務的 |
| 記号要因 | 「11.11」が視覚的に覚えやすく、光棍節とも結びついた | 象徴的 |

どちらかというと場当たり的に始まった11.11セール(双11)は、2009年11月11日に第1回が開催されたのです。
ところが、参加した企業はわずか27ブランドで、今からは想像もつかないほど小規模な企画でした。そのセールの広告予算はわずか1万元(日本円で約20万円)というところにも、期待感がないことが証明されています。
だからこそ、多くの企業に11.11セールへの参加を断られ、無料で宣伝広告を出してあげるという条件で企業を当たってみても、ほとんど参加すらしてくれなかったのです。

誰もが期待感など一切持たずに始まった11.11セールですが、ふたを開ければ、売り上げは5200万元(約10億円)。この時の淘宝商城の当時の1日平均取引額は800万元だったので、通常の7倍の売り上げを記録したのです。
これを機会に、11.11セールは11月11日の大規模セールイベントとなり、中国国内では年々爆発的な売り上げを記録するようになりました。
| 項目 | 2009年初年度 | その後の拡大 |
|---|---|---|
| 開催主体 | 淘宝商城 | 淘宝・天猫・AliExpressなどへ拡大 |
| 参加ブランド | 27社 | 世界規模へ拡大 |
| 広告予算 | 1万元 | グループ全体の大型販促へ発展 |
| 売上規模 | 5200万元 | 世界最大級のセールへ成長 |
| イベントの性格 | 知名度向上のための小規模販促 | 年間最大級の商業イベント |
| 地理的範囲 | 主に中国国内 | 2014年以降、海外展開が本格化 |

このただの偶然からの成功事例は中国国内にとどまらず、2014年からは海外向けのAliExpressで同時に11.11セールを開催しました。
この2014年を節目に、AliExpressの11.11は海外向け展開が本格化。そもそも誰も期待していなかったセールは、今では世界中の消費者が参加するイベントへと変貌し、日本国内でも11.11セールを行う小売店が出てくるまでになりました。
棚からぼた餅、瓢箪から駒といったことわざがありますが、11.11セールはまさにこれであり、偶然が大成功という言葉では表せないほどの成功を収めた珍しい事例です。
そして現在では11月11日前後の数日間で何十兆円も叩き出すのですから、成功は案外そこらへんに落ちているのかもしれません。
今回の話に近いものが下にあります👇








よくある質問(Q&A)
Q. 11.11はもともと「独身の日」だったのですか?
A. はい。1993年頃の南京大学の学生文化に起源があると広く言われています。2009年に淘宝商城がこの日にセールを開催してから、意味が変わりました。
Q. なぜ11月11日を選んだのですか?
A. 張勇本人は「陰差陽錯(偶然の巡り合わせ)」と述べています。明確な戦略があったわけではなく、「11月に空白がある」「数字が覚えやすい」という理由は後から整理されたものです。
Q. 初年度はどのくらいの規模でしたか?
A. 参加ブランドは27社、広告予算は1万元、取引額は5200万元でした。多くのブランドが参加を拒否し、「ダサすぎる」と言われたイベントでした。
Q. AliExpressの11.11はいつから始まったのですか?
A. 2014年からです。アリババグループが初めて、中国国内の天猫・淘宝と、海外向けのAliExpressで同時に11.11を開催しました。2014年を節目に海外向け展開が本格化し、その後は対象国・参加ブランド・販促規模を広げていきました。
