
AliExpressでは、UVカットされた晴れ雨兼用の折り畳み傘が600円~1000円で販売されています。私もこの折り畳み傘を何本か購入しましたが、毎回、何とも言えない違和感を覚えるのです。
それは、傘を開くと目立つように『UV』との文字がしっかり印刷されていることです。

日傘は身近な商品で夏の定番商品ですから、百貨店や雑貨店、ホームセンターでよく見かけるのですが、傘を開いた時に『UV』と書かれている傘なんて見たことがありません。タグや傘を収納する袋に書かれているのならいざ知らず、開いた傘にわざわざ書かれていたら、これ見よがしにUVカットであることを他人様に謎アピールしているようで、なんだか気恥ずかしくなります。
ところが、アリエクのUVカット加工された傘は、高確率で上の商品ページ画像のような仕様なのです。
なぜ、こんなことになっているのか?これには、中国EC市場特有のマーケティング事情があって、あえて傘にUVと書く深い事情があるのです。そして、このUVは本物なのか?という問題も紐解いていきます。

日本で晴れ雨兼用の傘といえば、UVカットは標準仕様ですし、日傘という商品名ならば、UVカットがなされていない商品の方が少数派です。ところが、海外市場(中国・東南アジア・中東など)では、安い日傘にはUVカット機能を持つものの方が少ないため、UVカット機能付きだと視覚的にアピールする必要があるのです。
アリエクのセラーたちは、「UVカットが特別なもの」という認識で商品を販売して、特別なものだからこそ、誰にでも分かるアピールをする必要があるのです。
また、アリエクの購入者の多くは、数百円の傘が本当にUVカットされているのか?という不安を抱えていますので、このUVの文字が印刷されていることが機能性の証明となっているのです。

さらに重要なのは、傘を開いた時、『UV』という文字が外から見える位置にちゃんと印刷されていることなのです。日本人には気恥ずかしいこの表記は、ところ変われば「私はUVカット傘を使っていますよ」と周囲に自慢するためのステータスシンボルなのです。
高級ブランドロゴの『LV』ではなく、『UV』という2文字には「健康意識の高い人間」というステータスを可視化する装置なのです。
東南アジアや中国では美意識のある人間とのステータスにまでなっているUV加工の傘ですが、アリエクで売られているUV加工傘には、そもそも本当にUV加工が施されているのでしょうか?

UVカットとは、どのような工程で作られているのかをまずご説明いたします。
高品質な日傘やUVカット衣料は、繊維を製造する段階でUVカット剤を練り込んでいて、以下のような特徴があります。
- 紫外線吸収剤や紫外線散乱剤をポリマー(樹脂)に混ぜてから糸を紡ぐ。
- この方式は洗濯や摩耗、折り畳みによって機能が劣化しにくい。
- 紫外線遮蔽効果は繊維そのものに内在しているため、表面が擦れても効果が持続する。
- 第三者機関(JIS L 1925、GB/T 18830、EN 13758など)の認証を取得していることが多い。
UVカット加工は、いくつも工程を経て作られるため、それなりのお値段になってしまうのは仕方のないことです。

一方、アリエクで数百円のUVカット傘の多くは、薄いポリエステルの生地に安価な銀色や黒色のコーティングを吹き付けただけのものが主流で、以下のような特徴があります。
- コーティング剤は表面に付着しているだけなので、折り畳む・擦れる・雨に濡れるだけで物理的に剥がれ落ちる。
- 新品の状態では測定器が「UVカット99%」と示しても、それはコーティングが完全な状態での初期値に過ぎない。
- 中国の一部メーカーは、「消費者は実際に検査しないので、数値はどう書いても良い」と発言している事例もある。
本物と手抜きの違いを表でまとめると以下の通りになります。
| 比較項目 | 繊維練り込み型(本物) | 表面コーティング型(格安) |
|---|---|---|
| 機能の保持方法 | 繊維そのものにUVカット剤を内包 | 表面にコーティング剤を塗布 |
| 耐久性 | 高い(洗濯・摩耗に強い) | 極めて低い(数回の使用で剥がれる) |
| 認証 | 第三者機関の測定データあり | 自己申告のみ |
| 価格帯 | 2,000円〜 | 数百円〜1,000円 |
このUV加工の構造を理解すると、数百円の傘がUVカット99%を謳うことの異常さが明確になります。ただし、安物でもUV加工は行われているため、パチモノとは言えない商品でもあるのです。

一応、UVカットが付いていて安いのならOKだ、という私のような方もいらっしゃるでしょう。
もしも安価なUV折り畳み傘を買うのなら、白色や薄い色ではなく、黒や濃いネイビーを選ぶ方が無難です。なぜなら、先程も申し上げました、使用するたびにコーティングが剥がれるのが確定しているので、薄い色よりも濃い目の色の方がそもそもの遮光性が高いからです。
また、今現在、アリエクのUVカット傘をもう既に買っている方には、簡単なテストでUVの有無が確認できます。暗い場所で傘の内側からスマホのライトを当ててみてください。
- 合格品(本物のUVカット傘):光がほとんど透過しない。
- 不合格品(粗悪):星のような光斑が浮かび上がる。
それともう一つ、「UVカット99%」の表記は新品未使用時の状態であり、長期的な性能を保証するものではありません。アリエクの安物UV傘に直接「UV」と大きく印刷されているのは、他者へのアピールの他に、その機能への自信のなさの表れでもあるのです。

昭和の時代と現代では夏の日差しの降り注ぐ量が増えているそうで、それは大気汚染が大幅に減ったことが大いに関係すると言います。空気の汚いから日が遮られていたのに、空気が綺麗だから強い日差しが降り注ぐ、という皮肉な状況が現代の夏の暑さにも関係しているようです。
日差しと暑さをしのぐためのUVカットの折り畳み傘を購入される方はきっと多いと思いますが、アリエクの日傘のUV加工には色々な事情があったりします。
ビニール傘が300円400円する世の中だからこそ、私は500円のUV折り畳み傘を愛用しています。500円なので多くを望まず、いつ壊れてもいいやと思っているとかなりお得な商品ですが、多くの機能性を求め過ぎると幻滅します。
アリエクの折り畳み傘は、ビニール傘よりも耐久性は少し高い、と思った途端に、かなりお得な買い物になるのです。
| 画像 | 商品名 | 価格 | 販売数 | 評価 | 詳細 |
|---|---|---|---|---|---|
![]() | 折りたたみ傘 晴雨兼用傘 | 600円台〜 | 50,000+ 点販売 | 4.6 | 商品を見る > |
※折りたたみ傘の価格は、セール開催時や在庫数により、大きく変動する場合がございます。
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