10年前のアリエクスプレスは魔窟だったが、人との繋がりだけは確実にあった話

現在のアリエクスプレスは、商品ページは勿論、ヘルプページからマイページに至るまで、全てが日本語で表記されています。

また、Choice商品の登場によって、それまでの配送日数を大幅に短縮する物流システムと、月4回まではほぼ無条件で返金を認めるシステムが導入されました。

以前のアリエクスプレスを知っている人間としては、快適な買い物ができるECサイトへ変貌したとつくづく思います。

私がアリエクスプレスで買い物をし始めたのは10年前。当時の商品ページは、一応、日本語訳になっているものの、とにかくデタラメな翻訳ばかり。日本語での検索は無いに等しく、『スマホ』と検索したのに、なぜか大人のおもちゃが大量に出てくる、謎めいた仕様でもありました。

物流は最悪で、注文したら黙って2カ月間待たねばならない絶望的な配送システムです。また、100円、200円の商品が届いて不良品だったからと返金を求めるには、まずは販売店へ連絡。そこで交渉して決裂したらOpen Disputeで返金を求め、散々待たされた挙句、ようやくチャリンと小銭が返ってくる、面倒極まりないものでした。

それに比べると、今のアリエクスプレスは全てが改善されて天国のようですが、10年前が全面的に地獄かというと、実はそうでもないのです。

かつてのように、商品が2カ月後に届く物流システムが今でも使われているなら、私は一切買い物をしなくなるでしょうし、返金が簡単な今の方が断然上だとつくづく感じます。しかし、以前のアリエクスプレスは人と人の触れ合いがありました。

こんなことを書くと、友達が誰もいない寂しく哀れなバカが、中国人と触れ合って喜んだ思い出にまだ浸っていると思われそうですが、そうではありません。

現在のアリエクスプレスでは販売店と価格を値引き交渉することはありませんし、不良品が届いたら粛々と返金作業を行うだけです。しかし、以前はお店としょっちゅうコンタクトを取らざるを得ないルールがあったのです。

例えば、不良品が届くと、まずはお店にメッセージして、不良品が届いたことを伝え、お店がその都度対応するのです。『もう一度発送するから、返金作業をするな』とか、『他の商品を大幅値引きで売るから勘弁してくれ』といった返答が返ってきて、それに納得できればユーザーは返金を求めないのが当たり前の光景でした。

もしも、今のようにお店を介さず勝手に返金手続きをしようものなら、突然、私の携帯が鳴り響き、中国語で一方的に怒鳴り付けられることがあるくらい、返金は最後の最後に行うものでした。

ただ、そのやり取りは、英語圏ではない日本人と中国人がメッセージで行うので、意思疎通が図れないことも多いのですが、つたないやり取りの中でも、意外と良い奴なのでは?と思えることが多々ありました。

アリエクスプレスでお店を営んでいるのは中国人であり、きっと人を騙すことしか考えずに経営しているのだろう、と何の根拠もなく思い込んでいた時期が私にはありました。ところが、情に厚い人間が非常に多く、話せば分かり合えることを知ったのもこのメッセージでのやりとりがきっかけでした。

しかし、今のアリエクスプレスでお店の人間とやり取りをする機会なんて一切ありません。仮にメッセージでやり取りしたとしても、日本語が使えるのは楽ですが、AIが相手なので味気なさしか残りません。

アリエクスプレスで人とのふれあいを求めているわけでは決してありませんが、居ながらにして外国人とコミュニケーションが取れる、しかも癖のありそうな人々とですから、これはなかなか面白いのです。

あちらの人間は反日教育されているから、日本人には酷い仕打ちをしてくるに違いないと、当時の私は少しだけ思っていました。ところが、色々なお店とやり取りしても、そういった扱いは一度もありませんでしたし、嫌がらせのような荷物が届いたこともありません。

むしろかなり好意的で、客商売だから営業トークをしているだけなのかもしれませんが、嫌な思いをすることがほとんどなかったのは事実です。

かつてのアリエクスプレスは、今よりもとても使いづらいECサイトだったことは間違いなく、10年前の方が良かったとはこれっぽっちも思いませんが、人と人との繋がりと、わずかながらの国際交流だけは、確実にありました。

アリエクスプレスで見つけた毎日が快適になるスマホ便利グッズ集

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