
前回、アリエクの零細セラーがパチモノを安易に仕入れているのかも(※アリエクの安さはどこから?深セン・義烏の巨大市場と、零細セラーたちの過酷な仕入れ事情)とお伝えしました。AliExpressのセラーはコピー商品を販売してはならないとの規定があり、もしもこれに違反すると、お取り潰しなどの厳しい制裁が科されるとされます。ただし、だからといって、コピー商品やパチモノが存在しないかというと、アリエクユーザーならば誰もが答えを知っています。
本音と建前という、日本人にはお馴染みの作用がAliExpressには存在しているのですが、最近、そのタガが外れていしまったのか、パチモノをやたらと見かけるようになりました。

ただし、普通にAliExpressを眺めているだけでは、不思議とパチモノは出現しません。深夜2時くらいになると、AIからおすすめ商品として提示され、その商品をタップすると、腐るほど出現するようになるのです。しかも、恐ろしいことにそれらはChoice商品なのです。
コロナ禍前、真夜中になるとパチモノが売られるようになり、夜明けが近づくとパチモノ販売は終了。日中のそのパチモノページは404になってしまう、なんて現象が頻繁に見られました。それが現在のAliExpressでも復活したのか、真夜中になるとやたらと目に付くのです。

ただし、AliExpressも昔のままではなく、時代と共にそういった商品を探知する能力は格段に上がっているようです。なぜなら、かつてのパチモノは財布がメインだったのに、今では財布の類が一切出てこないのです。これはAI検知が「財布」を特にブロックしているのではないかと推測するのですが、バッグに関してはなぜか無法地帯の様相で、運営側のさじ加減がよく分かりません。
時代が変わり、検知能力がアップしたのはアリエクだけでありません。日本の税関も同様ですから、こういったものを興味本位で購入すると没収されますし、税関での没収は返金の対象外ですので、見るだけにしておくのが得策です。
パチモノバッグを販売するセラーがいるということは、それを供給する存在があるわけで、今回はパチモノを供給する側を中国語圏のSNSで語られる話から探ってみたいと思います。

中国・広州市白雲区にある皮革製品・バッグ類の卸売市場として知られる商業施設『広州白雲世界皮具城』のすぐ近く。バラックのような住宅街に有名な偽バッグ市場が存在すると言います。アングラな賭場に入場するが如く、近くにいる客引きなのか用心棒なのかに声をかけ、いくつかのゲートを潜り抜けると奢侈品大甩売(※高級ブランド品の投げ売りマーケット)が現れます。
そこは薄暗く、ミシンの騒音と革の匂いが充満する工場兼ショールーム。数十台のミシンが並べられ、四川省や河南省から打工(※出稼ぎ)に来た労働者たちが黙々と革を縫い合わせている。製造元をこのように表現していました。

パチモノとはいえ、グレードが細かく分けられていて、ローエンドのコピーブランドバッグは200元前後(約4,000円)で取引されます。ただし、品質はかなり粗く、すぐに偽物と分かるレベルだそうです。
ミドルエンドは700元(約14,000円)。色がより本物らしく、手触りも柔らかめ。
ハイエンドは基本的に1,000元(約20,000円)。限定ものは2,000元(約40,000円)を超え、「多くの個人輸入代行業者(セラー)は、私たちから仕入れている。偽物を本物だと思わせるレベルで、専門家でも真偽を見分けるのは難しい」との書き込みもありました。

コピーしているのは製品だけではありません。この地域には本物そっくりの包装を売る店があり、20元/個(約400円)で入手可能。タグやカードも3元/枚(約60円)で販売されていて、ワンストップで全てが揃うと言います。
こういったパチモノ製造ゾーンが存在すると中国語圏のSNSでは語られ、それをアリエクで販売するセラーの声もありました。
どこまで本当なのかの確証は掴めませんが、やけにリアルな意見が多いようにも感じました。パチモノの需要があるからこそ、それを製造し、販売する人間が現れる。歪んだ中でも資本主義がしっかり根付いていることを改めて知り、需要がある限りなくならないのだと思いました。
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📝 注記
本記事の内容は、中国語圏のSNS、掲示板、匿名投稿などで語られる噂話や一般論、産業構造に関する見方をもとに構成したものです。個別の実在や事実関係を断定するものではなく、中国語圏で語られる「産業の裏側」の一端を読み物として紹介することを目的としています。
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