アリエクのアダルトグッズのレビューに「すぐに壊れた」「詐欺師」のコメントが並ばないのは、なぜか?

一度見た商品をAIがしつこくおすすめしてくるのがアリエクの仕様です。ガジェットや雑貨なら、ただ鬱陶しいと思いつつ、スワイプすれば終わります。ところが、これがアダルトグッズだと、少し話が変わってきます。

興味本位で、あるいは誤って開いてしまって、もしかすると単なる市場調査のつもりでタップしたのかもしれません。でも、アリエクのAIはそうとはくみ取ってくれず、タップしたという実績と閲覧履歴だけで関連商品を次々と出してきます。

こちらはもう見たくないと思っても、AIの熱心な売り込みはいつまでも続き、この画面を他人に見られたらかなりヤバい状況が続きます(※アリエクでアダルトグッズが占拠する理由はこちらのアダルト地獄、アリエクスプレス長年の疑問に対話型AIが出した答えをご覧ください)。

正直に言うと、この記事を書くこと自体にも若干の気まずさがあって、それこそが、これから書こうとしているこの商品カテゴリーの語りにくさそのものを体現しているのです。

アダルトグッズは、もはや珍しい商品ではなく、日本の大手ECサイトでも普通に売られてますし、アリエクならば、とんでもない種類の商品が当たり前のように販売されています。ですから、地下商品の類では決してなく、むしろ一般的な商品として扱われています。

それでも、この市場にはどこか妙に語りにくさがあります。別に私の保身で書くわけではないのですが、アダルトグッズの相場や模倣品、それに品質に関して、私は一切を知りません。アリエクユーザーとして長く買い物をしていても、このカテゴリーだけは一度も手を出したことがないのです。

ところが、アダルトグッズの商品ページを見てみると、注文数が万単位のものがあったりしてます。ということは、かなりメジャーな商品カテゴリーとなりますが、それを語る人々はとても少ない印象です。

ガジェットの商品ページならば、フィードバックに『初めて使ってすぐに壊れた』とのコメントをやたらと見かけます。しかし、アダルトグッズに『初めて使ってすぐに壊れた』は、生々しいからなのか、見たことがありません。他の商品では日常会話のようによく見かける『詐欺師』と罵るコメントもほとんど見られないのです。

フィードバックのコメントは匿名で書けますし、匿名でなくてもイニシャルが表示されるだけで、どこの誰だかなんて知る由もないのに、発せられる声自体があまりにも少ないのです。

この商品カテゴリーの特殊さをよくよく考えてみると異常です。法的に規制されたものでもないのに、なにか慎重な配慮が必要で、大っぴらに語られること自体がほぼありません。また、スマホケースが200円ならば安いといった相場観がこの商品群にはなく、『このアダルトグッズは安いからまとめ買いしよう』といったインターネットニュースは絶対に流れてきません。

『このスマホが使いやすい、おすすめ』とのニュースはあっても、『最高な気分になれる、アリエクで買えるアダルトグッズ5品』といった記事がヤフーのトップに表示されるなんて絶対にないのです。

これはある意味当然で、露骨な表現、特にそのものズバリな画像が制限されるのは、社会的な配慮として理解できます。ただし、その慎重さは市場の透明性を下げる方向にも働いてしまうのです。

売買は普通に成立しているのに、情報だけが十分に流通しない。比較記事は少なく、レビューはないも同然、苦情も表に出てこない。

普通の商品なら、価格、品質、使い勝手、故障、返品対応といった情報が、市場の中で自然に蓄積されていくはずなのに、この商品カテゴリではその蓄積がないに等しいのです。

ここで私は閃きました。このアダルトグッズのカテゴリーって、アリエクの中では超勝ち組商品なのではないかと。

なぜなら、誰も相場観がなく、高いのか安いのかがよく分からないのなら、利益率を大幅に引き上げることが可能です。そして、ネガティブなコメントが付きづらいのなら、長期間にわたって販売し続けられます。同業他社が多く集っていても、周りも利益率を上げるのですから、ある意味、共存共栄の形で商売ができ、しかも肝心の根強い需要がちゃんとあるのです。

それとセラーにとって最も大きな利点は、仮に紛い物を売っても表面化しにくいことです。人体に悪影響なものを売ったら、アリエクとてかなり危ない話になりますが、この手の商品はそもそも発覚しにくい土壌があります。そして、その声も出にくいので、表面化せずにいつまでも売られ続ける可能性があるのです。

アダルトグッズが特別に悪いと言いたいわけではありませんし、性的な商品が存在すること自体を、問題にしたいわけでもありません。

ただ、あまりにもユーザーから声の出てこない商品は、突き詰めていく危険な商品にも成りかねないと思うのです。

この商品カテゴリーは、欲望そのものであるからこそ公には語りにくく、市場の透明性を静かに下げてしまいます。その結果、価格の不透明さ、品質の見えにくさ、そしてフィードバックコメントの気まずさを、誰も指摘しないままで売られ続けることが、この市場をかなりいびつにしているのだと思うのです。

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