
AliExpressなどの中国通販で靴やサンダルを買うとき、いちばん怖いのは「安いのに関税が高い」ことです。
少額の個人輸入は免税される商品が多いのですが、靴には独特のルールが存在します。靴は素材ごとに分類され、履物類は簡易税率の適用除外品目で、どんなに価格が安くても、素材しだいで関税がかかるのです。参照:(🔗 customs.go.jp) (🔗 customs.go.jp)
特に危ないのは、革靴や革主体のサンダルでして、パーセントでの課税だけではなく、「1足あたりの最低額」があるため、安い商品でも結構な額の関税が発生します。中国通販で靴を買うのなら、お値段ではなく、何の素材でできているかを見定める必要があるのです。
靴の関税は、商品名ではなく「素材」で決まる

税関は、「スニーカー」「サンダル」「革靴」といった商品名では分類せず、甲(アッパー)と本底(アウトソール)の素材で分類します。 参照:(🔗 customs.go.jp)
ここで重要なのは、靴の外見ではなく外側の主要素材が何かで分類が決まります。参照:(🔗 customs.go.jp)
さらに、AliExpressの販売ページやセラーの説明の表記は税関の根拠にならず、あくまでもその靴の素材で分類されると記載されています。参照:(🔗 customs.go.jp)
たとえば、Aliexpressの商品ページに「布」と表記されていたり、セラーが合皮だと言っていたとしても、現物が革なら革として分類されます。逆にセラーが「leather」とラベルに書いていたとしても、現物がPUレザーなら天然皮革にはならないのです。
【事例解説】安い靴に高額関税がかかる理由

税関の「主な商品の関税率の目安」では、甲が革製又は甲の一部に革を使用した履物は、30%又は4,300円/足のうち高い方と定められています。参照:(🔗 customs.go.jp)
これは、安い革靴でも関税が軽くならないことを意味し、30%の課税額よりも「1足あたり4,300円」の方が高ければ、そちらが適用されます。
たとえば、3万円の革靴を個人輸入した場合、課税価格は原則60%なので1万8,000円、この数字から算出されます。ここに関税30%を掛けると、18,000×0.3=5,400円です。この値段は4,300円/足より高いので、関税は5,400円となります。さらに、関税とは別に消費税・地方消費税もかかります。参照:(🔗 customs.go.jp) (🔗 customs.go.jp)

だったら5,000円のサンダルなら、関税も大したことはないだろうと思いがちです。
しかし、これも素材によって課税額が異なるのです。税関の事前教示回答事例では、甲が革のサンダルだった場合、60%又は4,800円/足のうち高い方の区分に分類されています。参照:東京税関 事前教示回答事例(登録番号124002332) (🔗 customs.go.jp)
仮に、AliExpressで甲が革のサンダルを5,000円で買った場合、個人輸入の課税価格は原則60%なので3,000円です。ここに税率60%を掛けると、3,000×0.6=1,800 です。しかし、1,800円より4,800円/足の方が高いため、適用される課税額は4,800円になります。
つまり、5,000円のサンダルを買ったら、別途で4,800円の関税がかかることになり、靴の関税は独特で、安い買い物でも高くつくと言われるゆえんなのです。

AliExpressでよく見る「PUレザー」「合成皮革」は、税関上の天然皮革やコンポジションレザー(革製品の製造過程で出た革くずや革繊維を細かく粉砕し、樹脂などで板状・シート状に再加工した素材)とは別区分になります。 参照:(🔗 customs.go.jp)
事前教示回答事例でも、PUレザーに相当する素材はプラスチック製の被覆布として扱われています。参照:東京税関 事前教示回答事例(登録番号124002930)
つまり、PUレザー・合成皮革の靴は「革靴」には分類されません。ただし、先程も申し上げましたが、税関が見るのは商品名ではなく現物の素材です。商品ページに「PUレザー」と書いてあっても、実物が革素材なら、課税対象になってしまいます。
課税・免税の境界線:知っておくべき「靴のルール」

個人輸入では、課税価格の合計額が1万円以下なら、原則として関税・消費税は免税です。ですが、革靴、本底が革製の履物、スキー靴などは免税の例外となります。参照:(🔗 customs.go.jp)
つまり、靴は「1万円以下だから無税」とは限らず、特に革靴や本底が革製の履物は、少額でも高額な関税が課されます。
履物類は、少額輸入貨物に対する簡易税率の適用除外品目です。参照:(🔗 customs.go.jp) 靴は雑貨のように簡易税率で処理されず、一般税率で分類されるため、靴の関税は複雑になり、素材による差が大きいのです。
また、輸入時にかかるのは関税だけではありません。内国消費税と地方消費税もかかります。 参照:(🔗 customs.go.jp) 課税された際には、課税通知書や納付書に基づいて、荷物の受取時に納税することになります。参照:(🔗 customs.go.jp)
AliExpressやSHEINにて革靴や革のサンダルを商品代金だけ見て購入すると、後になってかなりの額を課税されるルールが日本には存在しているです。
買った後に後悔しないために:靴選びの重要性

購入前に確認したいチェックポイント
- ✓ 甲(アッパー)に何の素材が使われているか
- ✓ 本底(アウトソール)に何の素材が使われているか
- ✓ 天然皮革・コンポジションレザー・合成皮革のどれに近いか
- ✓ 商品ページの表記だけでなく、画像や説明文でも素材を確認できるか
- ✓ 少額でも関税がかかる靴に当たりそうではないか
- ✓ 返品条件や返送料の負担が分かるか
商品名ではなく素材を見て、価格ではなく分類を見る。これが、靴の個人輸入で損しないための基本です。
👉AliExpressで選ぶならPUレザー表記の靴を確認する

通信販売で購入した物品を返品する場合、関税等の払戻し制度はあります。ですが、払戻しは自動では行われません。 参照:(🔗 customs.go.jp)
返送前の事前検査、申請書、購入資料、課税通知書などが必要で、手続をしないまま返送すると、払戻しは受けられません。つまり、AliExpressで革靴を買う→課税された→でも、サイズ違いだったから返品→だからといって関税が自動で戻るわけではないのです。
靴はサイズ違いや履き心地の失敗が起きやすいカテゴリーですが、返品や商品交換が行われると、関税の払い戻しという作業を自らが行う必要があるのです。
AliExpressなどの中国通販でこのようなわずらわしさを味わいたくないのなら、国内通販で済ませることが最も安全で、特に、革っぽい見た目で素材表記が曖昧、さらにはサイズ選びが難しい靴の場合、最初から国内流通品を選ぶ方が結果的に安上がりです。
👉それでもAliExpressで選ぶならPUレザー表記の靴を確認する
中国通販の靴は「安さ」より「素材の見極め」が命
AliExpressなどの中国通販で靴やサンダルを買うとき、関税は価格ではなく素材で決まります。
靴の関税で覚えておきたいポイント
- ✓ 天然皮革の靴は高率になりやすい
- ✓ PUレザーは税関上の天然皮革とは別区分になる
- ✓ 商品ページの説明だけではなく、税関は現物の素材で分類する
- ✓ 靴は簡易税率の対象外で、一般税率で分類される
- ✓ 1万円以下でも免税にならない靴がある
- ✓ 関税だけでなく、消費税・地方消費税もかかることがある
- ✓ 返品しても、関税の払戻しは自動ではない
Aliexpressなどの中国通販の靴は、安さではなく素材で判断することがかなり重要で、最も危険なのは、安く見えるのに素材があやふやな革っぽい靴を買ってしまうことなのです。
関税や返品の不安を避けたいなら、国内通販も見比べておくと安心です
革っぽい靴や素材表記があいまいな靴は、海外通販だと想定外の関税や返品の手間が発生することがあります。 迷う商品は、素材表示や返品条件を確認しやすい国内通販と比較してから選ぶのがおすすめです。
今回の話に近いものが下にあります





注記・出典
※本記事は、税関の公開資料および事前教示回答事例に基づいて作成しています。関税分類は最終的に輸入時の現物に基づいて判断されます。
- 税関「少額輸入貨物に対する簡易税率」
(🔗 customs.go.jp) - 税関「課税価格の合計額が1万円以下の物品の免税適用について」
(🔗 customs.go.jp) - 税関「主な商品の関税率の目安」
(🔗 customs.go.jp) - 輸入統計品目表 第64類
(🔗 customs.go.jp) - 輸入統計品目表 総則
(🔗 customs.go.jp) - 税関「国際郵便物の通関手続のしおり」
(🔗 customs.go.jp) - 税関「国際郵便物に税金がかかる場合」
(🔗 customs.go.jp) - 税関「通信販売で購入した物品を返品する場合の関税等の払戻し」
(🔗 customs.go.jp) - 東京税関 事前教示回答事例(登録番号124002332)
※事前教示回答事例検索ページで登録番号「124002332」を入力
(🔗 customs.go.jp) - 東京税関 事前教示回答事例(登録番号124002930)
※事前教示回答事例検索ページで登録番号「124002930」を入力
(🔗 customs.go.jp)
