AliExpressで200円の20W PD充電器は本物か?実測5Wしか出ない理由とは【嘘偽りシリーズ第1弾】

AliExpressのよりどりでは「20W PD(Power Delivery)充電器」が200円〜300円で売られています。純正品なら2,000円〜3,000円はするような気がしますが、ゼロが一桁違うこの充電器はなぜこんなに安いのか。

それは20W PD充電器ではなく、ただの充電器だからに他なりません。まあ、普通の充電器だとしても安過ぎますが。

USB-Cテスター(USB Checker)を用意して充電器に接続して、実際の電圧(V)と電流(A)を測定するのが最も簡単な調べ方になります。

ちなみにワット数は単純な計算式で、W(ワット) = V(電圧)× A(電流) このかけ算で算出することができます。

かつてのスマホ充電器は主に5Vでしたが、20WのPD充電器の場合、電圧を使用目的に応じて、およそ9Vまで上げることができ、5V固定で大電流を流すよりも、電圧を引き上げて安全に電力を渡す仕組みが採用されています。

しかし、200円から300円くらいの20W PD充電器は5V固定で1Aの電流しかなく、5V×1A=5W、つまり表記されている数字の4分の1しかありません。これは故障なのかというとそうではなく、スペック偽装されていると考えて間違いありません。

他にも、240Wと表示された5ポート充電器の実測の最大総出力はわずか10Wだった、なんてことはアリエクでは珍しくありません。表示の24分の1の出力にしかなかろうと、バレるバレないなんて気にしない。20Vなんてそもそも使うことがないとばかりに、その回路がそもそも存在せず、USB-PDに必要な部品が一切搭載されていないのです。

なぜこんなことになるのか?

AliExpressの商品ページには、誰でも「20W」「PD対応」と書くことができる反面、その商品が事実か否かは誰もチェックしていません。ChoiceやらBrand+と表記されていても、「20W」の「PD対応」の充電器かどうかは、ワット数を計測するか、分解するかしない限り、分からないのです。

この手の商品がなぜ放置されるかというと、5Vのスマホ用充電器としては使えてしまうところにあります。出力が足りないのは間違いないのですが、スマホの充電はできますし、テスターでわざわざ計測する人間は少数派。充電ができるとの免罪符から、まあいいかと放置されるのだと思います。

こういった偽装充電器にリスクはないのでしょうか?考えられるいくつかのリスクがあります。

リスク①:充電が遅い

スマホの充電が5Wでしか行えないのですから、純正の20W充電器なら1時間程度で到達するはずの充電が単純に4倍以上の時間を要すことになります。

リスク②:発熱・発火の危険

スペックを偽装するような商品なのですから、ユーザーフレンドリーな設計になっている可能性は極めて低く、製品検査はされず、むしろ粗悪な部品を使っている危険性が高くなります。充電中に発熱が起こりますが、まともなパーツならば温かくなるだけでも、粗悪なものならば、熱いを通り過ぎて発火に至る可能性を秘めております。

リスク③:端末の故障

電圧制御が不安定で、iPhoneやAndroidのバッテリーを痛める危険性があり、基板が損傷し、端末自体が使えなくなる可能性もあります。

これらのリスクは必ず起こるものではありませんが、コンセントに差し込む製品である以上、粗悪品ならば起こり得るものですので、どうかご注意ください。

では、アリエクのPD充電器は何を買えば良いのでしょうか?

まず、最低限の見方としてはお値段であり、1000円以下でまともな充電器は無いと思っていた方が間違いありません。ただし、有名メーカーならば安心かというと、最近はそうでもなくなりました。

なぜなら、アリエクユーザーならば誰でも知っている有名メーカーの模倣品が流通しているのです。しかもお値段は正規品とほとんど変わりません。一見すると本物に見えるのですが、実際にはパチモノ、なんてものがアリエクには存在しています。

他にも、正規品は内部に保護回路や放熱構造があるために重量がやや重めである特徴から、重量で判断するというのもあります。しかし、中に砂を入れて重量を調整するといった、懐かしい裏工作がなされた製品もあるようなので、これも完璧ではありません。

結局のところ、アリエクで充電器を買ったら、それが本当か嘘なのかはUSBテスターで計測するか、分解するしかありません。テスターはかなり安価なので買っておいて損はないのですが、それならば、日本国内で購入した方が間違いがありません。

日本国内にも安価な充電器は出回っていますが、有名なECサイトで有名なメーカーの充電器ならば、掴まされる可能性はかなり少なく、掴まされても返品や返金は楽に行えます。

AliExpressは安さが売りのECサイトですが、安さの根拠が怪しいものも中には存在します。特にスマホの充電器は当たりハズレを見破るのが難しく、ハズレの結末は発火という最悪なものにもなりかねません。

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