
昭和の時代、週末になると特に賑わっていたのがレンタルビデオ店です。話題の映画がビデオ発売される日ともなると、我先に視聴しようとお客同士が作品の取り合いになることもしばしばでした。
レンタルビデオ店も混乱を避けるために人気の映画は仕入れる本数を多くして対応しておりました。しかし、作品のビデオが1本あたり1.5万円から2万円もするため、少ない本数しか仕入れることができないお店が結構ありました。

そこで、一部のレンタルビデオ店では一計を案じ、新作の作品をとりあえず1本だけ早めに仕入れ、家族総出で徹夜でダビング作業をします。そして、レンタル解禁日になると、50本くらいに増殖したビデオテープをお客に新作と称して割高な料金で貸し出す、といった商売がまかり通っておりました。
当時は、1本の映画が50本に増えることに、貸す側も借りる側も深刻な違法性を感じていなかったように思います。それがただただ当たり前の昭和末期の光景でしたが、そういった行為をすると摘発され、結構な額の賠償を請求されることを知るのはもっと後になってからでした。

アリエクスプレスにコピー品やパチモノが並んでいること自体、今さら驚く話ではありませんが、実は、映画やアニメの映像をコピーしたメディアをほとんど見たことがありません。
映像メディアの海賊版をあまり見かけなかったのは、権利関係がより厳しく、出品してもすぐ消されていたからかもしれません。

しかし、今年になってから映像関係のメディアを販売するお店をちらほら目撃するようになりました。当然、正規品ならば何の問題もありませんが、どれもこれも海賊版であることを一切隠そうともせず、堂々と販売しています。
そして、アリエクスプレスには、ネットフリックスでしか視聴できないオリジナルドラマのブルーレイがなぜかいくつも並ぶようになりました。

ネットフリックスでしか見られないはずの作品が、なぜかブルーレイとして売られている。その図式は、昭和末期にダビングされた『ロッキー4』のビデオをワクワクしながら借りた私でも、今の世の中では、やはりどこか異様です。
あの頃の違法ダビングには、少なくとも悪いことをしている自覚が薄かったのだと思います。しかし、今現在で海賊版であることを隠しもせず売られている、ブルーレイの商品ページはかなりの違和感なので、昭和生まれの私も、少しはまともな方向へ軌道修正されつつあるのかもしれません。
今回の話に近いものが下に二つあります
