AliExpressの350円スマートウォッチは本物か?計測数値が固定される謎仕様【嘘偽りシリーズ第3弾】

スマートウォッチといえば、Apple WatchやGARMINが真っ先に思い浮かび、アリエクユーザーならば、XiaomiやHUAWEIを思い浮かべます。

その価格帯は、3千円から10万円以上と、やたらと値幅が大きく、どれを買ったらいいのかが分かりにくいカテゴリーでもあります。

AliExpressで350円で販売されているスマートウォッチの商品画像。

では、アリエクでスマートウォッチを探してみると、こちらも値幅がかなり大きいのですが、安いものはなんと350円で販売されているのです。

しかも、心拍数、歩数、睡眠、血中酸素まで計測可能、見た目も悪くなくて送料無料、100K+点(10万個以上)の販売実績と、なにか良いことずくめでたったの350円です。

これで本当に健康管理ができるのでしょうか?

ちゃんとした本物のスマートウォッチは、光学式心拍センサー(PPG)を搭載し、手首の毛細血管に光を当てて血流量の変化から心拍数を測定する仕組みです。LEDとフォトダイオードを皮膚の同じ側に配置する「反射型PPG(光電式容積脈波記録法)」という方式が一般的です。

では、アリエクの350円スマートウォッチはどうなのか?

これが不思議なことに、手首、肘、二の腕、なんなら机の上にただ置くだけなのに、平気で「心拍数 80bpm」などと数値を表示し続けます。いったいなぜ?答えはとても簡単で、PPGなんてものは内蔵されておらず、測定しているようにLEDを光らせているだけなのです。

PPG以外にも血中酸素センサー、加速度センサー、ジャイロセンサー、GPSなんてものは、この350円スマートウォッチには搭載されていません。ですから、なにかを計測する=LEDをチカチカ光らせて計測したフリをし、人間を安心させる演出をしているのです。健康データはすべて捏造、あるいは同じ数値しか出てきません。

スマートウォッチは歩数計にもなりますが、この350円スマートウォッチは手で振るだけで爆発的に歩数が増えます。振ると増えるから加速度センサーは入っている可能性が高いのですが、あまりにも粗悪すぎて、1日1万歩のノルマなんて、下手をすると1時間以内に達成してしまいます。

ちなみに本物のスマートウォッチは、3軸加速度センサーでデバイスの動きと向きを測定し、転倒検知や衝突検知などにも対応していますが、350円にそこまで求めること自体が酷です。

また、IP68(※電子機器の防塵・防水性能を示す最高等級の保護規格)と記載されていても、ここだけ本当なわけもなく、汗や小雨でも内部が当然のように曇ります。本物のスマートウォッチであっても、機種によっては防水が生活防水レベルなものが多いものの、350円に防水を求める方が無茶なのです。

アリエクの350円スマートウォッチがもはやスマートウォッチでないのは明白なのですが、一見するとそれらしくも見えます。ましてや、売値が350円なのですから、原価はいくらなのでしょうか?

センサー類やGPSが入っていないとはいえ、液晶をかろうじて動かす基盤とLED、そしてガワとバンドは製品として見せるためには最も必要な部分です。これを350円以内、実際の原価としては下手をすると半額くらいなので、175円で作りなさいと言われて、チャチャっと作れる人間はほとんどいないでしょう。ですから、このスマートウォッチ、ある意味ではとても凄く、コストカットを学ぶお手本のような製品なのです。

AliExpressで350円で販売されているスマートウォッチが複数販売されている画像。

そのコストを考えると、ガワとバンドに集中していることが想像でき、じゃあ、内蔵バッテリーはどういったものを使っているのを考えると非常に恐ろしく、充電中や使用中の発熱・発火を防ぐ手立てがある方がおかしいのです。

安いものには訳があるのは間違いないのですが、やっぱり、350円で健康管理はできません。時刻を見るだけの機能なら成立する可能性は極めて高いのですが、その時刻が正確であり続けられるのはせいぜい数日間。アリエクの350円の時計なんてそんなものなのです。

だからこそ、おもちゃとしてならば成立しているかもしれませんが、発熱発火のリスクを考えるとおもちゃにしては危険すぎるのです。ただし、それらしい数値を画面に出してその場をしのぐ発想を用い、人間にそれらしいと思わせる形状の製品に仕立て、それを実現させるコストカットの技法だけはかなり斬新なのです。

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Q

Q. AliExpressの350円スマートウォッチで健康管理はできますか?

A. できません。心拍数、睡眠、血中酸素などが表示されていても、机の上に置いただけで数値が出るような挙動が見られる以上、健康管理に使える精度や信頼性は期待できません。少なくとも、医療機器やまともな健康管理機器の代わりにはなりません。

Q

Q. AliExpressの安いスマートウォッチは心拍数を本当に測っていますか?

A. 本当に測っているとは考えにくいです。ちゃんとしたスマートウォッチはPPG(光学式心拍センサー)で血流変化を測定しますが、350円クラスでは測定しているように見せるためにLEDを光らせ、もっともらしい数値を表示しているだけの可能性が高いです。

Q

Q. 350円スマートウォッチの歩数計は正確ですか?

A. 正確とは言えません。手で振るだけで歩数が大きく増えるなら、日常の歩行をきちんと計測しているとは言いにくく、1日1万歩の目安さえ簡単に達成してしまいます。歩数管理の目安としても信頼しにくい製品です。

Q

Q. AliExpressの350円スマートウォッチのIP68防水は本当ですか?

A. 信用しない方が安全です。IP68と書かれていても、汗や小雨で内部が曇るようでは、防水性能を当てにできません。本物のスマートウォッチでも防水性能には差がありますが、350円クラスで表記どおりの保護性能を期待するのは危険です。

Q

Q. AliExpressの350円スマートウォッチは買っても大丈夫ですか?

A. 健康管理目的ではおすすめできません。時刻表示だけなら一応使える可能性はありますが、その精度や耐久性も高くは期待できず、さらに内蔵バッテリーの品質によっては発熱や発火の不安もあります。安さの理由を考えると、おもちゃ感覚でも慎重に見るべき製品です。