アリエクの200円Bluetoothイヤホンに技適を取って合法化するには74,000円以上かかる。でもすぐに壊れる

AliExpressを眺めていると、Bluetoothイヤホンが200円くらいで売られていています。このお値段だけ見れば、ダメ元で試してみようかという気にもなるでしょう。

ただし、日本でBluetooth機器を使う場合、「届いた」「音が出た」で話が終わるわけではなく、無線で電波を発する機器である以上、「技適」の問題は避けて通れません。

技適(技術基準適合証明)とは、日本の電波法に適合した無線機器であることを示す認証です。スマホ、Wi‑Fi機器、Bluetooth機器、無線マイクなどに表示があり、これの有無が日本国内で合法で使えるかの判断基準になります。

アリエクの安物Bluetoothイヤホンに技適が付いているわけもなく、これを日本国内で使用すると厳密には違法ということになります。

だったら、この安物イヤホンを日本で正式に、合法な状態で使えるようにするには、実際いくらかかるのかを調べてみました。

Bluetoothイヤホンは、音楽データを受け取るだけの受信専用機器ではなく、スマホなどと接続して通信する際にはイヤホン側からも電波を発しています。電波を発する以上、日本ではこれが技適の対象になってしまい、「つながる」ことと「合法に使える」ことは、似ているようで別の話になるのです。

技適には、一時的にならば使ってもいいという特例がないわけではありません。訪日外国人が持ち込む機器については90日間の特例がありますし、実験や試験、調査目的であれば180日間の特例もあります。

ただし、これらはあくまで一時的な例外で、日常的に使い続けるための制度ではありません。外国人が発する電波も、実験で使用する電波も、アリエクで買った安物が発する電波がたとえ同じであろうとも、日本国内で合法的に継続的に使うのであれば、結局のところ技適が必要になるのです。

日本は法治国家ですから、200円ちょっとの安物Bluetoothイヤホンを使用していて、早朝に国家権力がやってきて連行されてしまうと考えると、おちおちゆっくり眠ることなんてできません。だったらこの安物を合法化すれば良いのでは?と考えるのはごく自然なことですが、いったい、いくらくらいの費用が掛かるのでしょうか?

かなり深めに調べてみたところ、個人が1台だけ申請する場合、技術基準適合証明という手続きを使うことになるようです。

2.4GHz帯の小電力データ通信システム(Bluetoothなどが該当する代表的な区分)の場合、TELEC(テレコムエンジニアリングセンター)の公開されている料金表では、次のような金額が示されていました。

項目 金額
申込基本料(新規) 36,000円
1台目の試験手数料 38,000円
合計 74,000円

個人で1台だけ合法化しようとすると、最低74,000円かかるようで、200円のイヤホンに対して、実に370倍の金額がかかります。

技適取得にはもう一つの道があって、量産品として正式に工事設計認証を取る、という方法もあります。こちらも同じくTELECの料金表に基づくと、次のようになります。

項目 金額
認証基本手数料 150,000円
試験手数料 90,000円
合計 240,000円

こちらは合計240,000円。200円のイヤホンに対して、1,200倍という金額になります。

しかも、これらの金額は最高値の見積もりではなく、むしろ入口の数字にすぎません。アンテナ一体型の試験法や空中線特性試験で電波無反射室(暗室)を使う場合は、1件あたり10万円が別途加算。試験結果が基準を満たさず再試験になれば、その分の手数料も追加でかかり、条件次第では、費用が青天井に膨らんでいきます。

アリエクの200円のBluetoothイヤホンを日本国内で合法的に、大手を振って使えるようにするには、えらい金額をふんだくられることが分かりました。

まあ、お国のお墨付きを得ようとすれば、それなりの費用が掛かるのは仕方のないこと。名もないメーカーの中華スマホ、アリエクでしか見かけないWi-Fiルーターなど、もしも合法的に使用するのであれば、相当なハードルがあるのです。

ただ、アリエクの電波を発する商品にもしも技適を付けたとて、根本的な大きな問題がございます。

それは、耐久性に難があり過ぎて、下手をすればセミの命と同様、1週間で終了してもなにもおかしくないことです。また、保証なんてものはなく、たとえあったとしも保証を実行する術はなく、泣き寝入りするしかない商品です。

そこの部分を考えると、日本のメーカーが企画して技適をちゃんと取得した製品を割高でも買った方が、たとえすぐに壊れても、保証があり、合法的に使えて結果的にお得、という図式になるのです。

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