先日、ド素人だからこそお気楽に第一種電気工事士に受かる学習法があると書かせていただきましたが、それをお読みいただいた方から『自分も挑戦してみたいが技能試験で使う工具はアリエクスプレスで揃えることができるのか?』といった旨のご質問メールをいただきました。
確かにアリエクスプレスには様々な工具が販売されており、日本国内で電気工事士試験向けで販売されているものと比べると、見た目にはあまり変わりがないのに異様に安く売られておりますので、アリエクスプレスで安上がりに済ませられそうだと考えたのは私も同様です。
結論から申し上げますと、見た目にはアリエクスプレスに売られている工具でも平気そうに見えるものの、電気工事士試験では特定の工具がないと絶対に合格できないものがいくつかあるため、アリエクスプレスだけで工具を揃えることはできません。
ただし、アリエクスプレスで購入しても大丈夫な工具もあって、むしろアリエクスプレスで購入しておいた方が便利な工具も中にはあったりします。
電気工事士試験で絶対に必要な工具がありまして、それは上の画像のリングスリーブ用の圧着工具で、これはJIS規格に即した、握りが黄色で、〇・小・中のいずれかの刻印がされないものを使用しないと、絶対に不合格になります。
アリエクスプレスにも圧着工具は色々と販売されておりますが、〇・小・中のいずれかの刻印がなされるものは見たことがないため、これだけは日本国内で購入する必要がございます。
この圧着工具は3~5千円くらいしまして、できればホーザンの5千円くらいのタイプが使いやすいように思えますが、この圧着工具だけで電気工事士試験で使用する工具の金額の半分くらいを占めることになります。
それともう一つ、圧着工具のように絶対に必要ではないのですが、合格するためのスピードアップに欠かせない工具として必要なのがVVFストリッパーです。
この手のストリッパーはアリエクスプレスでも販売されているものの、VVFケーブルの被覆を簡単に剥くことができるタイプは存在しません。
特に、ホーザンのVVFストリッパーP-958は電気工事士試験のために作られたといっても過言ではないほど、試験に即した作りになっておりますので、これも外すことはできません。
圧着工具が5千円で、VVFストリッパーP-958が3.5千円くらいで販売されているので合計は8.5千円ということになりますが、これ以外にも電気工事士試験に合格するためには色々な工具が必要となります。
ただし、これ以外の工具はアリエクスプレスで購入しても問題はないのですが、ホーザンの電気工事士技能試験工具セットという商品は、電気工事士試験直前でなければ1.1万円ほどでアマゾンにて購入することができます。
1.1万円-8.5千円=2.5千円で、アリエクスプレスにてドライバーやらペンチ、電工ナイフを購入するのなら、日本で1.1万円で工具セットを買った方が品質が保証されている分、安心ですし、結果的にお得かもしれません。
となると、アリエクスプレスで買う工具は要らないことになってしまうのですが、あれば試験で便利に使える工具が3つほどございます。
一つ目は、電線で輪っかを作る際に使用できるペンチで、アリエクスプレスならば300円ほどで購入できます。
本来はジュエリー加工で使用するペンチなのですが、電気工事で輪作りといわれる作業をする際にこのペンチを使用すると、誰もが失敗することなく、必ず輪作りがいつでも成功するようになりますので、これはあった方が絶対に便利です。
お次は、第一種電気工事士試験の際に5.5mm2(5.5SQ)の電線が使用されるのですが、VVFストリッパーP-958ではやや剥きにくかったりします。
そこで、アリエクスプレスの百円ショップならば300円くらいで販売されているワイヤーストリッパーを買っておき、2.6mmの場所で被覆剥きすると簡単です。
ただし、アリエクスプレスのワイヤーストリッパーは2.6mmなどの太い電線は綺麗に被覆剥きができるものの、これ以下のサイズを意識なくストリップすると銅線を簡単に痛めてしまう、力加減がなかなか難しい曲者なので、常時使用することはしない方が良く、あくまでも5.5mm2(5.5SQ)の電線の被覆剥きだけの使用が良いと思います。
最後も第一種電気工事士試験での話になりますが、第二種に比べて太めの電線が支給されるため、VVFストリッパーP-958でこれらの電線をカットすると工具を痛めてしまうことがあります。
そこで、太い電線を着るためだけのケーブルカッターをアリエクスプレスで購入しておくのは有効でして、お値段も600円くらいから販売されており、ただ電線を切るためだけではあるものの、あると非常に便利だったりします。
結局のところ、電気工事士試験で必要な工具は日本国内で買った方が間違いがないのは確かで、アリエクスプレスで入手できる工具がメインで使われることはないのですが、取り上げた3つの工具は私自身が使用して便利だと思えたものですから、もしも電気工事士試験を受験されるのならばご覧になってみてください。