
最近、アリエクスプレスから届くメールの中に『あなたもドロップシッピングで大儲けをしませんか』といったものが入ってくるようになりました。
ドロップシッピングとは、在庫を持たずにECサイトを運営するようなことであり、例えば、私がECサイトを開き、そこで販売されている商品は全てアリエクスプレスの商品に自らの利益を上乗せした価格に設定します。
そして、お客が私のECサイトで購入したら、その注文をアリエクスプレスへ丸投げし、日本国内のお客の元へ発送させることで、商品在庫を持たずに利益を得られる、というものでして、注文を右から左へ受け流すだけで利益をかすめ取る商売とも言えます。

私はドロップシッピングという商法を否定も肯定もしませんが、私自身がドロップシッピングをやるのかと言われれば、絶対にやらないと言い切れます。
なぜなら、仮にアリエクスプレスのドロップシッピングならば、お客自身がアリエクスプレスで直接買えば良いと思っているからであり、アリエクスプレスの売価に自らの利益をさらに上乗せさせて商売になるとは到底思えないからです。

ただ、私の周りの人間たちもアリエクスプレスで買いたいけど、自分自身のクレジットカードで購入したくないし、得体の知れない中国の通販なんて、後からどんなトラブルになるのか分からない、との理由から、購入する際には私に注文させる人間が少なからず存在するのは確かです。
そういった人間たちを大量に集めることができるのならば、商売として成り立つのかもしれませんが、アリエクスプレスの商品単価で喰える商売にするとなると、とてつもなく量を売らなければならないのは間違いありません。

また、アリエクスプレスでの購入は諦めの要素が必要となる場面が多く、そういった精神なんて全く知らず、日本国内の通販と同等なものだと思い込んでいる人間を相手に、アリエクスプレスの商品をお店任せで送り付けるのは相当な危険な行為にも思え、すぐにクレームだらけになって、そもそも商売として成り立たないのでは?と考えてしまうのです。
まあ、商売の事なんぞ何も知らない私が想像することなので、こちらの考えの方が大いに間違っているのかもしれませんが、在庫を抱えずローリスクで安全性が高いと言われるドロップシッピングで、確実に儲けるダークな手口が垣間見えたニュースがございました。

そのニュースは、東京税関による知的財産を侵害するコピー品の差し止め件数が、昨年2024年に過去最多を記録した、というものです。
なぜ過去最高の差し止め件数を記録したのかというと、ネットショップやフリマサイトで高級ブランドのコピー品の販売が横行し、売主が商品を日本国内からではなく、海外から発送する手口が急増しており、コピー品が日本国内へ入ってきたところで税関が没収する事例が非常に多いとのこと。
また、没収された商品は当然購入者の元へは届きませんが、理由が理由ですので、先払いした代金も戻ってこないトラブルが相次いでいると言います。

フリマで注文を取り、海外通販から購入者の元へ発送するこの手口は、正にドロップシッピングです。
しかし、扱っている商品がダークというか、真っ黒であり、発覚すれば確実に逮捕案件なのですが、こういったことに手を染めている人間が少なからず存在することがニュースから読み取れます。
あくどい手口は大きく儲けられると太古の昔より言われておりますが、ドロップシッピングでの成功もそんなことをしないと難しい気がした、とあるニュースのお話でした。