アリエクスプレスで売られていないレトロゲームソフトこそが真のレアものな話

80年代から家庭用ゲーム機は加速度的に進化し、90年代になると、どこの家庭でもなんらかのゲーム機を所有する時代になりましたが、これは日本に限らず、世界的にも同様の流れでした。

その家庭用ゲーム機のほとんどは日本メーカー製であり、今から思えば、ゲーム機は日本のとてつもない基幹産業だったと感じられるのですが、それから30年以上経過した現在、当時のゲームソフトの価値がやたらと上がっております。

80年代から90年代に発売された日本のゲームソフトを、主に外国人が収集するようになり、円安であることも相まって、日本でレアものと呼ばれる中古ゲームソフトを高値でどんどん購入するようになりました。

その流れに目を付けたのが、アリエクスプレスのお店でして、あえてレプリカと宣言しつつ、レアもののゲームソフトのデータを丸々コピーし、外装や説明書までもそっくりそのままの形で製作して、見た目には新品のレアものソフトのように仕上げ、それを安価に販売するようになりました。

ですので、日本国内で数十万円のお値段で販売されている90年代のゲームソフトが、アリエクスプレスだとレプリカとして2000円前後で販売されている、なんてことが起こるようになりました。

当時のゲームソフトのレプリカを製作するにあたり、原本となるゲームのデータやパッケージが必要になりますが、日本国内でレアものと称され、高値で販売されているゲームソフトに関しては、アリエクスプレスでほぼ流通している現状です。

うがった見方をすると、コピーしているデータをアリエクスプレスのお店が握っているということは、レプリカをどんどん流出させることでレア感がどんどん無くなっていき、『悪貨が良貨を駆逐する』そのものが起こっている気がしてきます。

となると、アリエクスプレスで流通していない90年代のゲームソフトこそが、真のレアものだと言えるような気がして色々と探しまくってみると、とあるソフトだけがアリエクスプレスの検索に全く引っ掛からないことに気付きました。

そのソフトというのが、スーパーファミコンのジーコサッカーを書き換え、裏ルートにて販売していた非合法アダルトソフトの『SM調教師瞳 VOL.1』です。

ゲームタイトルとアダルトソフトであること、並びに上のカートリッジの挿絵を加味すれば、ご存じない方でもどんなゲームの内容なのかが想像できると思われますが、SM調教師瞳は非合法なくせにそれなりの需要が当時ありました。

こういったソフトは売り切りで終了するのが常ですが、極めて珍しくシリーズ化がなされ、スーパーファミコン用ソフトとして6作品が、パチンコ屋さんの景品や秋葉原の雑居ビルの中などでひっそりと売られておりました。

ただし、需要があるといっても正規の販売ルートではなかったことでその流通量は相当に少なく、それが30年近い月日が経過すると、レアものという言葉に変化し、それなりのプレミア価格が付くようになりました。

その流れから、アリエクスプレスでも先程申し上げたレプリカという名のコピー品が製造されているのですが、6作品の内、ただ1つだけ販売されていないタイトルがありました。

例えば、2作目であるSM調教師瞳 VOL.2は販売されており、

3作目のSM調教師瞳 VOL.2 Remix、

4作目のSM調教師瞳 VOL.3、

5作目のSM調教師瞳 番外編、

最後に発売された、SM調教師 瞳 番外編2 まきのラブラブパニックまで、アリエクスプレスではコピー品が販売されております。

しかし、初めて世に出た『SM調教師瞳 VOL.1』だけは、どこをどうやって探してもアリエクスプレスでは出現しません。

お金になるのなら何でも製造してしまうあちらの国であっても、SM調教師瞳 VOL.1だけは元になるソフトが入手できないのか販売されておらず、ということは、このソフトがスーパーファミコンにおいて最もレアものである、と個人的に結論付けたどうでも良いお話でした。