エアコンの掃除を昨年同様に嫌々ながらやらされてきた話

今年一番の暑さになった日に私の知り合いから『今日はやたらと蒸し暑いけどもうエアコンは点けた?』と電話が掛かってきまして、暑さが苦手な私は「当然点けているよ」と答えると、『うちはこれから点けようと思うんだけど、今年初めてエアコンを点ける際の注意点は?』と聞かれました。

連日30度を超える気温になってくるとエアコンを稼働させることに何のためらいもありませんが、今シーズンで初めてエアコンを点けようとする時は少しだけ躊躇してしまう心境が人間にはあるような気がしますから、知り合いもそんな類の話で電話を掛けてきたのだろうと思い、「使い始めはフィルターくらい掃除をした方がいいよ」と私は答えました。

すると知り合いは、その言葉を待っていたかのように『フィルターの掃除はしてあるけど、去年、あんたがやってくれたエアコンの掃除を今年はまだやっていないから、エアコンを使う前に掃除をしなくていいの?』と悪気もなくのたまいました。

昨年、私が行ったエアコンの掃除というのは、夜中の3時に知り合いから『エアコンから生乾きのぞうきんの強烈な臭いが止まらないからなんとかして』と電話があって、紆余曲折がありつつも、結局は徹夜でエアコンから送風ファンとドレンパンを外してカビ取りをし、全体的に水洗いを行ったことです。

エアコンから臭いが出てくる原因の最たるものは送風ファンのカビであり、送風ファンを外してカビキラーでカビを除去するだけでも臭いは相当に低減され、ドレンパンも取り外さないとカビが綺麗に取れない構造になっておりますが、取り外してしまえば臭いの原因となるカビを簡単に除去することができます。

私の知り合いは、昨年私がやらされたエアコン掃除で全くの無臭になったことに味を占め、今年もエアコンのシーズンが始まる直前にわざとらしく連絡してきたと思われます。

エアコンから送風ファンやドレンパンを外しての掃除というと大変そうに思われるかもしれませんが、これらの作業は、お掃除機能が無いエアコンならば、メーカーにもよりますが慣れていれば10分くらいで取り外せ、後はお風呂場で丸々1本分のカビキラーを漏れなく吹き付けて10分後によく洗い流せば作業は終わるので、実際にはそう難しい話ではありません(※お掃除機能があるとそれの着脱にかなり手間取り、シンプルなエアコンでもメーカーによってはえらく面倒なものもあります)。

エアコン掃除で最も時間を要し、最も面倒な作業というのは、実は、送風ファンとドレンパンを外した後のエアコン本体に残るアルミフィンを水洗いする前に行う養生がとんでもなく時間がかかるのです。

エアコンを壁から外さずに水洗いするとなると、部屋が水浸しにならないようにしなければならず、その為の養生をビニール袋などでしっかり行うのですが、これを適当にやってしまうと後々とんでもなく面倒な事態になるためしっかり行う必要がある一方で、仮に養生をしないのならば、エアコンの分解掃除は1時間以内に終わってしまう作業だったりします。

知り合いのエアコン掃除を今断ったとしても、また臭いが発生すれば真夜中でも連絡してくるのは目に見えておりますので、まだ厳しい暑さにはなっていない今の時期にエアコン掃除をしてしまうのは不本意ながらも良しとします。

しかし、面倒なのも事実ですから、負担軽減のために養生をしないで行う方法を考え、アルミフィンの掃除は水洗いではなく、知り合い宅にあるスチームクリーナーで行い、多少の水が壁や床にこぼれることを多めに見てくれるのならばやってあげることにし、先程、その作業を終えて帰ってまいりました。

昨年も掃除をしている分、言うほどのカビは送風ファンにもドレンパンにもアルミフィンにも発生しておりませんでしたが、分解できるものは分解してカビキラーでカビ取り洗浄をし、アルミフィンの裏表ともスチームクリーナーで洗浄してみるとやたらと綺麗になりました。

また、吹き出したスチームで辺りがびしょびしょになることもなかったですし、養生をしない分の時間が短縮されて分解→洗浄→組み立てまで50分で終了し、しかも仕上がりは上々でしたので、スチームクリーナーでのエアコン掃除が侮れないことを知りました。

ただし、エアコン掃除を終わらせて清々しい気分かというとそうではなく、知り合いからお金を取ろうとは思っておりませんでしたが、作業の報酬が知り合い宅のカレーのおすそ分けだったことはなかなか空しく、ごく普通の味のごくごく普通のカレーを食べつつ今この駄文を書いている、というどうでも良い私の愚痴だけのお話でした。