現在の日本でスマホを使っていない人間はかなりの少数派になりましたが、今から遡ること9~10年くらい前は、スマホとガラケーの使用率はどっこいどっこいでした。
また、スマホ黎明期だからなのか、日本で発売されるスマホ端末もメーカーによって当たりハズレがかなり大きく、端末価格に見合わない機種も多く散見されました。
そんな時期に日進月歩でどんどん進化していたのが中国のメーカー製造したスマホ端末です。
当時の中国は、日本よりもスマホの普及が加速度的に速く、人口が14億人もいることからスマホ需要がとてつもなく巨大で、色々なスマホメーカーが次々と誕生しました。
その流れはメーカー間に強烈な競争原理を生み出し、安価で高性能なスマホ端末が次々と生み出されるきっかけにもなりました。
本来は中国国内向けに製作されたスマホ端末ではありますが、中国国内と同じ周波数帯が使われている国や地域であれば、そのスマホ端末をそのまま使用できるので、アリエクスプレスなどのECサイトは中国メーカー製スマホを海外へ向けて販売するようになりました。
当時の日本で買うとAndroid端末は最低でも5万円ほどするところが、アリエクスプレスならば1万円くらいで同等レベルの端末が買え、2万も出せば相当に高性能な端末が、3万円も出せば日本では販売されていないレベルの端末が買えました。
ただし、中国メーカー製スマホが日本で一般的な存在かというとそうではなく、当時は『中国の製品はどんなものでも爆発する』といった印象を持つ人間が大勢いて、実際にしょっちゅう爆発していましたが、そんな理由からそもそも購入する選択肢を持っていない方が大勢おりました。
また、中国向けのスマホが日本で使えるのか?と考える方の方が一般的で、一部の人間たちのみに大好評だった中華スマホでしたが、アリエクスプレスや他の中国通販サイトの中だけは、その需要はとてつもなく、販売しているメーカーやお店は相当な数がございました。
昔話はここまでにしまして、現在の中国のスマホメーカーはというと、中国のみならず、世界的なメーカーにのし上がった企業がいくつかある一方で、数多く存在した様々なスマホメーカーが淘汰されている印象です。
先日、インターネットニュースを見て、懐かしさと少しの驚きがあったのが、世界初の折りたたみスマホを製作したRoyole(ロヨル)というメーカーが破産したとのニュースです。
画面を折りたたむことでコンパクトサイズになるスマホ端末がいくつかのメーカーから販売されておりますが、今から6年も前の2018年に、Royoleは折りたたみスマホを製品として市場に投入し、現在の端末価格では驚きはないものの、2018年当時で18万円のお値段で発売したことはかなりの話題となりました。
一時は画期的な大発明をしたとして、この先の将来を約束されたかのように報じられていたRoyoleですが、それが今では破産してしまうのですから、時代の急速な変化を感じずにはいられません。
また、当時は新製品を次々と発売し、評判の良かった中国スマホメーカーも、新機種は投入せずに名前だけが存続している事例がかなり多く、Royole同様に廃業してしまったメーカーも少なくありません。
一般的ではなかった中華スマホに盛者必衰という表現を使っていいのか分かりませんが、ある程度有名な中華スマホメーカーの中でも、最近は特に淘汰されている動きが起きているように見える、というお話でした。