足立区では坊主頭でもワンタッチコームを買いに行った

私は東京都足立区で生まれ、昭和の後半から平成の前半までをこの地域で暮らしておりました。ただし、その話をすると、ガラの悪い地域の育ちであるとのレッテルを貼られ、とんでもないスラム出身のような扱いを受けることがあります。

実際のところ、その頃の足立区にだって少数ながらも聖人のような人間はいたはずです。足立区とはいえ、法治国家の日本なのですから、大半の住民は分別の付くごくごく一般的な人間であり、私自身もしがない小市民の一人であります。しかし、長年にわたって刷り込まれた足立区の負のイメージはなかなか拭えないようです。

なぜ、負のイメージが拭えないのかという点ですが、これには悪人とまでは言い切れない人間の割合の多さが多分に関係しているような気がします。

警察のご厄介になって塀の中に入ってしまう悪人も当時の足立区にはそれなりに存在しました。しかし、そこまでは行かずとも、かといってまともかと言われるとそうでない人間が多数存在していたのは事実であり、特に当時の中高生にそういった人間が多かった気がします。

そういった人間たちはまずは見た目にこだわり、ブラックワンやリバックスメンズの変形学生服を愛用します。頭髪はパンチパーマやアイパー、リーゼントをこよなく愛し、特殊警棒やカイザーナックルを忍ばせながら徒党を組んで自販機前でたむろする、といった生態がありました。

もう相当に昔の話でありますが、こういった人間たちの生息数が多かったのは事実であり、見た目にもガラの悪かった過去の光景が災いし、負の歴史となって悪名がなかなか消えないのかもしれません。

そういった昭和末期から平成初期の時代の足立区でよく見かけたものの、その後一切見掛けなくなった商品がアリエクスプレスを眺めていると出てきまして、それが折りたたみ式ワンタッチコームです。

この商品は飛び出しナイフのような形状でありながら、実際には髪の毛をとかすクシであることを気に入る人間が足立区には非常に多く、必要性が全くない坊主頭の人間でもボンタン屋さんにわざわざ買いに行く人気アイテムです。

当時のお値段はというと千円ではとても買えないシロモノだったように思うのですが、現在のアリエクスプレスでは送料無料430円です。

このお値段ならば、当時の足立区の中高生ならば10本20本は当たり前に買ってしまうほどの安さです。

円安・インフレの時代なのにとんでもない安さで売られている、かつての足立区では大人気だったワンタッチコームがアリエクスプレスで格安に販売されているというお話でした。

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