今の世の中はありとあらゆるものが値上げされておりますが、日本の郵便料金も値上げを行うとのこと。
まだ値上がりが確定したわけではないのですが、現在のはがき63円に対して新たな価格は85円、封書84円に対して新たな価格は110円と、現状よりもかなりの値上げが行われるようです。
以前に比べると需要的には少なくなっているとは思いますが、暑中お見舞いや年賀状、はたまたなにかの懸賞に応募する際には1枚85円のはがきを購入しなければならなくなるため、はがきなんて1枚40円50円くらいのものじゃないの?との感覚を持つ私には結構なお値段になったことが変に実感できました。
今回の郵便料金の値上げは郵便事業の拡大していく赤字をなんとか食い止めるために行うそうで、人件費を含めた運送コストが上昇していく中で雪だるま式に増え続けていく赤字をどうにかしていくために、普通郵便の翌日配達の廃止や土曜日配達の廃止などをコスト削減を行うも、値上げをしなければ事業そのものがパンクしてしまうところまで来ているとのこと。
郵便事業がなくなってしまったら、それはそれで大変なことになってしまうのですから、大幅な値上がりも仕方がないのかもしれません。
ただし、郵便配達で届けられる荷物の料金設定に非常におかしい、というか間違っていると思えるのがあるのも事実で、それは、アリエクスプレスから郵便局の配達で届けられる荷物です。
現在のアリエクスプレスで購入した商品が郵便局の配達で届けられるパターンはかなり少なく、我が家に届く荷物での割合は1割程度しかありません。
しかし、その1割の郵便配達で届けられる商品の販売価格を見てみると、なんでこんな価格で送料無料で販売できるか?との疑問が沸いてくるものばかりです。
日本国内ではがきを投函する際には63円、値上がり後は85円になりますが、アリエクスプレスには上の画像のように送料無料で74円で販売されていることが多々あり、それ以下のお値段の商品も平気で売られております。
この74円の内訳は、『商品の仕入れ値+お店の送料負担+お店の儲け』を合計したものが74円ということになるのですが、日本国内ならば薄っぺらい紙のはがきを送るために63円も掛かるのに、アリエクスプレスでは74円しか支払わなくても、お店の儲けも含まれた商品を日本国内のユーザー宅までちゃんと届けてくれるのです。
こういったことがまかり通るのには万国郵便条約という世界的な取り決めがあって、例えば、日本と中国の郵便物で言うと、日本から中国へ、あるいは中国から日本への郵便物は送り先の国の郵便局が配達することが決められており、到着国側の郵便料金は発送国側の郵便料金から支払われることも決められております。
中国は国策で郵便料金を相当に安く設定しており、上の画像の商品が日本まで発送された場合の郵便料金は35円ほどであり(※現在はもう少し高くなっているかも)、その35円の内の幾ばくかのお金が日本国内での配送料に当てられるため、日本の郵便局がこういった荷物運ぶ際にはタダ働きのようなものだったりします。
かつてのアリエクスプレスはこういったルールを最大限に活用し、世界中へ商品を送料無料で販売しておりましたが、世界各国で風当たりが強くなり、自社の物流網を整備して自社の配送業者を活用するように変化し、現在では郵便局の配達で届くことはかなり少なくなりました。
しかし、現在でも郵便局からアリエクスプレスの荷物が届くことはありますし、送料無料100円以下といった商品は探せばたくさん出てくるものでもあったりします。
日本の郵便料金が値上がりする理由の中には、もしかするとこういった海外郵便も影響を及ぼしているのかも、というお話でした。