アリエクスプレスの荷物がまとめられるサービスで取り違えの事故が発生した話

アリエクスプレスの配送には、異なるお店から発送された同一住所宛の荷物が中国国内のアリエクスプレスの倉庫に複数存在する際、その倉庫内にて荷物が大きなビニール袋にまとめられて日本へ送られるサービスがあります。

荷物がひとまとめになると購入した側にはかなりの利点があって、数十円の安物商品であっても概ね15日間以内に届くようになりますし、日本国内の配送は佐川急便かヤマト運輸になるため、いつ届くのかがはっきり分かるようもなります。

この複数の荷物がひとまとめになるサービスが登場してから、アリエクスプレスの利便性はかなり向上したと個人的には感じておりますが、一方で大きなリスクが存在しているのも確かで、そのリスクにいつぶち当たるのかと思っていたらそれが昨日の出来事となりました。

そのリスクというのは、複数の荷物が倉庫内でまとめられる時、例えば、私宛の荷物が2つあって、本来ならばその二つの荷物がまとめられるはずなのに、他人宛の荷物とまとめられてしまう場合です。

もしも他人の荷物と私宛の荷物がまとめられてしまうと、当然、注文とは異なる商品が届くことになるのですが、この場合、まずはどこに問い合わせれば良いのかを考えると少し悩みます。

もしもお店が異なる商品を送り付けてきたらその責任はお店にあるので、お店へ問い合わせてから返金を要請することになりますが、倉庫内での事故で異なる荷物が届いたのなれば、お店は『うちは関係ないアル。早く受領して金を支払うアル』と言いかねないようにも思え、アリエクスプレスのカスタマーセンターにも倉庫内の事故の項目は見当たりません。

利便性が向上したひとまとめになるサービスながらも、もしも倉庫内で荷物の取違が起こるとえらく面倒なことになりかねないことは想像に容易く、現にこういったことが起こったと私は相談されたことが何度もあるので、事故は結構起こるのだろうと思っておりました。

そして、とうとう我が身にもその事故が降りかかってまいりました。

私はSATAのSSDと掃除機のクリーナーブラシを同時に注文し、どちらも当日中に発送され、しばらくすると二つの荷物はひとまとめになったとの通知を受けました。

それから一週間もしないうちにヤマト運輸でひとまとめになった大きめのビニール封筒が我が家に届いたのですが、開封する前に封筒の中の商品の手触りがなにかおかしいことに気付きました。

注文したクリーナーブラシは円柱状のものでその感触はあったのですが、もう一方のSATAのSSDは小さな長方形のはずが何やら長細い短めの筒のような形状の感触しかありません。

この時点でまとまった荷物の中にはSSDが入っていないと判断して開封動画を撮影することにしました。

開封動画とは文字通りに開封する際に動画を撮影することでして、かなり以前の頃のアリエクスプレスのお店は、異なる商品をわざと送り付けてくる、あるいは荷物を入れずに発送して代金をせしめようとする手口が横行していたので、返金を有利に進めるためにも開封して商品が異なる、あるいは入っていないことを映像で証明する自己防衛策です。

今回、私に届くはずなのはSSDとブラシでどうやらSSDが入っていなそうですから、開封動画を撮影して開封時にSSDが入っていなかったことを証明する必要があります。

そして開封してみると、ブラシは注文したものでしたが、もう一方の筒状のものは上の画像の筆のような商品が入っておりました。

荷物がまとめられる前、それぞれの荷物は個々の封筒に入って宛名のラベルも貼られておりますから、筆が入った封筒のラベルを丁寧に剥がしてみると、下のラベルにはノルウェーの住所が書かれておりました。

ということは、中国の倉庫で私のSSDとノルウェー人が購入したこの筆が入れ替わって我が家に届いたことになり、SSDはもしかするとノルウェーに向かったのか、はたまた、倉庫の人間がペチッってそれを隠すために故意にこういったことをしたのかもしれませんが、とにかく倉庫内で何らかの事故が起きたのは間違いありません。

5000円くらいのSSDが数百円の筆に変わって「嬉しい、やったね!」と喜べるほど私は寛大な人間ではありませんのから、一応、SSDを買ったお店に筆が届いたことをメッセージすると、『返金要請を行ってくれアル』とのことなので、撮影した開封動画と、本来はノルウェーに向かう荷物だということを証明するラベルの画像を添付して返金を要請してみると、30分ほどで全額返金の裁定が下りました。

こういった場合の開封動画は強力な証拠になるので今回も全額返金だと思いつつも、もしも開封後にSSDではなく筆だったことに気付いた場合にはどうだったのだろうと少し考えてしまいました。

また、裁定が『全額返金ならば筆を中国まで返送しろ、それが嫌なら50%分の返金な!』なんてことになったら、それはそれは嫌な気持ちになるだろうとも思いました。

日本のECサイトだったらおそらくは問答無用で全額返金になるような事象ですが、アリエクスプレスの場合はそうとは限らず、怪しいと感じたら念のために自己防衛を念入りにした方が良いと感じた、個人的には初めてのパターンの配送事故の話でした。