アリエクスプレスで安物のUSB PD対応充電器の購入は要注意な話

USB PD(Power Delivery)とは、USBケーブルを利用して最大100Wまで給電できる規格でして、かつてのUSB充電器やケーブルは電力消費量の少ないスマホの充電で使われることがメインでしたが、USB PDならば、消費電力の大きなノートパソコンやPCモニターの電源としても使えるようになります。

例えば、ノートパソコンの電源アダプターは他の家電に比べるとやたらと大きく、重さもそれなりにあるのが当たり前ですが、USB PDに対応する充電器とケーブルを使えば、スマホの充電器並みの大きさで給電することができるので持ち運びにもかなり便利になります。

また、バカデカいアダプターではなくなるため、机回りがすっきりするのも魅力の一つかもしれません。

ただし、それを実現するにはUSB PDに対応した充電器とケーブルを用意する必要があります。

ノートパソコンの消費電力は電源アダプターに書かれておりますが、大まかに40W・65W・90Wの3種類があって、充電器とケーブルはその消費電力に合うものでなければなりません。

そして、USB PDに対応した充電器とケーブルをアリエクスプレスで見てみると、日本国内の価格に比べて破格に安いものが多数存在しておりますが、ここには大きな罠が潜んでいることが多々あります。

特に価格差があるのが充電器でして、日本国内では安くても2千円くらいからの販売ですが、アリエクスプレスでは送料無料400円ほどから色々と揃っていて、五分の一の価格ならば買ってみようと思われる方がいらっしゃると思われます。

しかし、この五分の一の価格の充電器が想像通りの商品として届くことは限りなく少なかったりします。

まず、日本国内で販売されているまともな65Wに対応するUSB PDの充電器は、上の画像のように3つ口になっていても、PDと表示された口へ1本だけUSBケーブルを差し込めば65Wが給電され、もしもPDに2本のUSBケーブルを差し込めば上が20W、下が45Wの計65Wが供給される仕組みとなっております。

しかし、アリエクスプレスで400円くらいの65W PDとデカデカと書かれた充電器はというと、PDと書かれた一番下は33Wで、残りの2口の電力量の合計が30Wの全て足し算をして計65Wとの仕様となっております。

しかもその33Wも出鱈目で、実際には7Wくらいの電力供給しか行われず、他の2口も同様に7W程度の供給量ですから、この充電器にはUSB PDである要素が一つもないことになります。

仮に、65Wのノートパソコンの電源として購入したとすると、最大でもおそらくは10Wに満たないくらいしか供給されないのですから、起動することも充電されることも難しそうです。

また、この充電器でスマホくらいの充電は可能だと思われますが、肝心の電力供給量を大きく偽っている充電器に確固たる安全性があるのか否かというと、その答えは自ずとわかるわけで、使用すること自体が危険な行為になってしまう可能性は否定できません。

実際に、アリエクスプレスでも2千円以上するUSB PDに対応した充電器は、日本国内のものと同様に動くものがかなり存在しておりますが、となれば、安心感の面においては日本国内で購入した方が良いような気がします。

安いものには訳があると言いますが、アリエクスプレスでUSB PDに対応すると書かれた飛び切りに安物の充電器にも大きな訳がある、というお話でした。