今を遡ること300年以上前の江戸時代はお侍さんを頂点とする社会が形成されており、庶民は抑圧された生活を強いられた部分もありました。
しかし、人間が生きていればイザコザは起こるもので、お侍さんと庶民のトラブルは身分の違いがあっても割とあったそうですが、帯刀を許された人間と許されない人間が争えば、刀を持つ側が圧倒的に有利ですから、庶民が刀に対抗するために日常生活で使用するものの武器化が進みました。
例えば、本来なら手のひらサイズの喫煙具のキセルを棍棒のような大きさにし、いざという時は刀に対抗する、あるいは、本来ならば農機具の草刈りの鎌に鎖と分銅を付けて鎖鎌(くさりがま)にする、といった塩梅で、取り締まる側に対して、これはあくまでも生活に欠かせない道具であることをアピールしつつ、いざという時には武器になるものが色々と開発されました。
そんなことを踏まえまして、アリエクスプレスには日常の生活で使用するアイテムが、いざという時には護身用の武器になる商品が色々と売られており、中にはかなり無理のあるモノまで販売されております。
まずは日常生活で頻繁に使用する長めの棒状のアイテムと言いますと、傘が真っ先に思い浮かびますが、アリエクスプレスでは仕込み杖ならぬ、仕込み傘が販売されております。
通常は雨具としての傘でありながら、いざという時には鋼鉄のスティックになるというシロモノでして、仮に当局に問い質されても『傘と杖の兼用である』と言えば大丈夫だとも、ご丁寧に記載されております。
また、雨具としては折りたたみの傘も一般的ですが、いざという時には特殊警棒になってしまうタイプも販売されており、やんちゃな中学生あたりには人気のアイテムになりそうな雰囲気があります。
この2種類に関しては、日常生活で使用しつつ、いざという時には護身用になるとの言い分が成り立つように思えますが、アリエクスプレスには言い訳が全然通用せず、ただただ武器であることをちょっぴり隠そうとする加工しか行われていない商品も存在します。
上の商品の説明書きには、『あくまでも教育用の定規で、車に乗せておいてもただの定規だから問題ないアル』と書かれておりますが、手元は刀の柄のようなものが付けられており、どこをどう見ても武器にしか見えませんが、あくまでも定規であるとのスタンスを押し通しております。
また、上の商品も車載工具であるから何の問題もないとのスタンスですが、こんなにバカデカい車載工具を何に使うのかという問題に加え、その形状が殺傷する気が満々に見えてしまうのに、お店としては『どこからどう見ても工具アルから心配ないアル』と言い切っております。
こういった商品がアリエクスプレスには色々と販売されておりますが、その理由というのは、あちらの国が日本の江戸時代のような雰囲気があるからこそ、色々と開発されているような気もしてきます。
ちなみに、こういった商品は日本において持ち歩いていたりするとしょっ引かれる対象であり、傘だ、定規だ、車載工具だのの言い訳は一切通用しませんから、どうかご注意を。