アリエクスプレスの電動ローラースケートを見ていると今後ひと悶着ありそうに思える話

日本という国は、金持ちだろうが貧乏人であろうが、時の権力者であったとしても法律には絶対に従わなければならない法治国家となっておりますが、時々、肝心の法律が時代の流れに追いついていかないことがございます。

日本の法律は、明治時代に制定されたものが今でも使われていたりするものもありますし、そもそも日本国憲法が制定されたのは戦後の焼け野原の時代だったりします。

ですから、インターネットに関する法律なんてものは制定時にはないわけですし、時代を経て生み出された製品に関する法律は絶対にないのですが、こういった場面でひずみが生じてしまうことがございます。

例えば、キックボードという乗り物は、昭和の時代に子供の乗り物として割と有名でしたが、いつの間にかすっかり廃れてしまったものの、平成中期の頃、大人が手軽に乗れる乗り物として一時的に流行りました。

しかし、そのブームはほんの短期間で終了し、その後、キックボートに乗る人なんて一切見掛けなかったのですが、令和の時代になると、中国で生み出された電動で走行できるキックボードが登場し、労力が要らずに楽に移動できる手段として脚光を浴びることになりました。

ただし、電動で走るキックボードに対しての法律なんてものは当然ある訳もなく、それに近い乗り物の電動アシスト自転車なのか、はたまた、原動付自転車なのかの議論を経て、その両方をくみ取った形の法律が制定され、極々最近になってようやく身近な乗り物として認知されるようになりました。

日本は、なにか新製品が登場すると、矛盾が出てくることを承知でまずは既存の法律に当て嵌めて様子を窺い、批判の声が大きくなったところでようやく法律を変化させていくのが王道パターンのような気がしますが、アリエクスプレスで初めて見掛けたとある商品もそんなことになるかもしれません。

その商品というのが、電動式ローラースケートでして、動力は充電池から供給される電気で車輪が回転し、その操作はリモコンを用いてアクセルの要領でスピードに強弱をつけるというシロモノです。

時速は15kmと自転車並みの速度ですが、本来は地面を蹴って進むローラースケートの車輪が、電動によって進むのならば、徒歩よりも楽なのは間違いですから、もしかすると新たな移動手段となり得る可能性はゼロではないような気がします。

仮にこの商品が日本国内へ入ってきますと、電動キックボードのように電動アシスト自転車や原付と同類にするのは難しそうですし、旧来のローラースケートと同様、道路では遊んではいけません的なルールから道交法違反が適用されるのでしょうが、ローラースケートは遊具としての側面が大きく、判断がかなり難しそうな気がします。

アリエクスプレスというか、中国はなにかとなにかを足し算して生み出された新たな製品を結構見かけるのですが、電動ローラースケートも日本の法律の枠内ではなかなか大変な商品になりそう、というお話でした。