
宅配荷物は増え続けていく一方なのに、それを配達する人間の手が全く足りていない現在の日本において、お国の主導で改善していこうとする動きが見られます。
現状の宅配業界の大きな問題点は再配達を依頼されることにあるとして、宅配の基本を置き配で完了とする法案をお国が定めるかも、といった話が報じられております。

個人的な意見としては、我が家に届く荷物の大半はアリエクスプレスからで必然的に置き配ばかりですし、置き配での配達完了は、いつ現れるのか分からない運送屋さんを待つ必要もないため、荷物を待っている側にも非常に有益だと思っております。
また、置き配で完結するのならば、大問題になっている再配達には絶対になりませんから、運ぶ側と受け取る側のどちらもがWin-Winの関係になれるとも思っております。
しかし、置き配にはリスクも当然ありまして、盗難はどんなに治安のよい地域であっても起こり得る問題であり、盗難された際にどこが保証してくれるのか、それとも、受け取る側の盗られ損で泣き寝入りになってしまうのかなど、お国が法整備によって定めるにはクリアすべき問題があり過ぎるような気もします。

それともう一つ、置き配で起こりうる問題としては、運送屋さんが荷物を届けていないのに配達完了にしてしまうことも考えられ、実際、私の身にもつい先日に降りかかってきました。
国内ECサイトで購入し、某有名運送屋さんで出荷された荷物の追跡情報を見ていると、私がまだ受け取っていないのに関わらず、『配達完了』とステータスが表示されております。
この有名配送屋さんもいつの間にか置き配が基本になったのかなと思い、玄関先に出てみると、荷物なんてものはどこにも見当たらず、辺りを念入りに探してみるもどこにもありません。

追跡情報が配達完了なのに私の元へ届いていないのならば、アリエクスプレスでいうところの偽番号か、あるいは、荷物を配達していないのに伝票だけを配達完了にしたのかの2択のような気がしてきまして、とりあえず運送屋さんに問い合わせてみると、状況がよく分からないが調べてみるとのこと。
それから1時間ほどが経過して、『どうやら不慣れなドライバーが間違えて配達完了にしてしまった。ただし、すぐに荷物をそちらへ持って行くことができず、明日、もしくは明後日以降に必ず持って行く』との連絡がありました。
なかなか来ない蕎麦屋の出前の言い訳でも、もう少しマシな嘘をつくような気がするものの、運送屋さんはなにか奥歯に引っ掛かる言い方に終始するので、きっと起こってはならないことが起こってしまっていると私は汲み取り、急ぎの荷物でもありませんし、こちらからは『宜しくお願いします』とだけ言い、それから2日が経過した後に荷物が届きました。

この一件で考えたことは、置き配が基本となると、盗難のリスクに加え、配達員さんがなにかを起こすリスクも用心しなければならず、今回の私の件のように伝票上だけが配達完了にされてしまうと、本当に届いていないことを受け取り側が証明するのが相当に難しいように思えました。
ましてや、言いたくありませんが配達員さんが荷物を盗んで行ってしまったら、ほぼほぼ完全犯罪のようになってしまう気もしてしまいます。
置き配は配達する側もされる側も利点が多いのは確かですが、思わぬリスクも考えねばならず、意外とややこしいのかも、というお話でした。