
私の友人はもう農業を生業としても良いのでは?というほど畑作業を趣味としており、ゲームの攻略を考えるように、どうやったら収穫量が増やせるのかを日夜考え続けるのがなによりも楽しいと言います。
ただ、予想通りの収穫量になってくるにつれ、それを狙う害虫や動物も増えてきて、特にカラスは空から集団で突然現れ、悠然とかっさらっていく厄介な敵だと言います。

カラスの知能が高いのは有名な話ですが、知能が高いゆえに追い払うことがなかなか難しいそうで、色々な忌避グッズを試しても効果が出るものになかなか巡り合わないと言います。
そんなカラスとのいたちごっこが続いていた頃、アリエクスプレスにてハロウィングッズが色々と販売される時期となって売られていたのが、リアルなカラスの装飾品です。

アリエクスプレスにはハロウィングッズが山のように売られており、装飾品の中には子供だましの類から、かなり精巧に作られているものまでいろいろとある中で、3千円弱で販売されている割とリアルなカラスの装飾品を友人は購入しました。
このカラスを購入した理由は、カラスは賢いだけでなく、状況を判断する能力を兼ね備えており、その状況判断をさせるためにはリアルさが欠かせないとのこと。
なにゆえにリアルさが必要なのかを尋ねると、アリエクスプレスのこのカラスに血を模した赤いペンキをかけて畑の真ん中に逆さで釣るしておくと、他のカラスがあそこに行くとやられるぞと認識し、来なくなる習性を利用するからだと言いました。

この方法は古来から日本に伝わる技法だそうで、本来は本物のカラスを撲殺した後に血だるまにして逆さに釣るしておくのが最も効果的だそうですが、現代においてそんなことはなかなかできないのは当たり前ですし、近所から白い目どころか、精神に異常をきたしていると思われないようにするためにも、リアルなカラスの装飾品で代用しようとの算段で友人は購入したようです。
そんなものでカラスが来なくなるなんてと、私は間違いなく失敗すると思っておりましたが、実際はこれが効果てきめんだったらしく、少なくともカラスだけは畑に来なくなり、収穫物を取られなくなって非常に満足な結果だと友人は言っておりました。
ただし、畑の真ん中にコレが垂れ下がっていたら、当人にとっては切実な問題でも、傍から見れば不気味なだけですし、仮に自宅の庭やベランダに設置したりすれば、ご近所から即通報されるだけのような気がするのですが、カラス除けとしてはかなり効果的だったアリエクスプレスのカラスのハロウィン装飾のお話でした。