アリエクスプレスで『本当に』との表記はむしろ怪しさを強調している話

話の真実性を持たせるために使われる言葉が日本語にはいくつもあります。

例えば、教室内で給食費が盗まれ、容疑をかけられた生徒が『神に誓って、僕はやっていない』と言われれば、教師はそれ以上の追求を控えざるを得ず、『天地神明にかけて、僕ではない』といった表現も同様であり、自らに降りかかった罪から逃れるため、こういった言葉が付け加えらることがあります。

そういった日本語の表現の中でも、最も手軽で、それでいて強調がうまく伝わる『本当に』がありますが、この表現はアリエクスプレスでもしょっちゅう見掛けます。

上の画像は、アリエクスプレスで販売されている、紫外線を通しにくい素材が使用されている女性向けの衣料品です。

この商品画像の一枚に、わざわざ日本語で『本当に日焼け止めです』と表記されており、なにやら公的な検査を受けたかのような書類も表示されていて、この商品は間違いのないことを強調しているように見えます。

しかし、ウソやホラ話には『本当に』がよく使われるのは誰もが知っており、むしろ、ウソやホラだからこそ、本当にと強調するきらいがあることも知っております。

実際、この商品ページに公的な書類がしっかり読める形でのアップロードは行われておらず、本当だったら堂々とユーザーに読ませれば良いのに、冒頭の小さい商品画像の中にしかありません。

この商品にUVカットの機能や紫外線対策が施されているのか否かは、購入していないのでよく分かりませんが、お客に対して最も売り込むべき点の詳しい説明をせず、冒頭の画像にだけ付け加えるのは怪しさしかありません。

この商品に限らず、アリエクスプレスの商品画像や商品名には、『本当に』や『本物の』や『信頼の』という表現が溢れておりますが、本当と強調して書かれているものほど、真逆の性能を発揮してしまうものが非常に多い、というお話でした。