少し前にアリエクスプレスの無料返品や購入者保護のルール変更がありまして、詳しくはこちらの記事をご参照いただきたいのですが、このルール変更は一般的なユーザーからしてみると、はっきり言って改悪のレベルの予感がありました。
そして、その記事をご覧いただいた方から私の元へ届いたメールを拝見したところ、その予感はやはり的中したように思えました。
まず、どんなルール変更が行われたかというと、返品無料と表記された商品を月に5回以上行ったユーザーに対しての返金は、理由の如何に問わず返送料を実費で負担する、というものが最も大きな変更点です。
言い換えると、月に4回目まではユーザーが気に食わないなどの理由であっても返金や返送無料を認める一方、5回目からは不良品やサイズ違いが届いたとしても、ユーザーが中国までの返送料を負担しない限り、問答無用で返金を認めない、というものです。
アリエクスプレスとしても、返品無料の商品を購入して返金を繰り返す悪意のあるユーザーを排除するためにルール変更をおこなったはずなのですが、どうやら一般的なユーザーに対してもその余波が来ているようです。
私の元へ届いたメール主の方は、11.11セールやブラックフライデーセールで総額5万円ほどのお買い物をしたところ、15品ほどの不良品やサイズ違いが見られたとのこと。
当然、返金を求めたのですが、4品までは概ね返金を認められるも、5品目以降は中国へ実費で商品を返品しない限り、返金が認められない裁定が下されていると言います。
アリエクスプレスには購入者保護(バイヤープロテクション)があるからこそ、安心して購入することができる、というのが最大の売りだったのですが、現状ではその購入者保護は月に4品までに限定されており、それ以降は理由を問わずに全額で返金される可能性が無くなっている状況です。
このルール変更で私が最も問題であると考えているのが、お店とユーザーとの妥協点を見出すことを廃止してしまった事にあるような気がします。
以前ならば、商品に軽微な問題点があった場合に購入金額の半額くらい返金して貰えればいいや、という選択がユーザー側から行えたのですが、現在は色が若干違うから少しだけ返金して貰おうとしても、システム上、返金額は全額しか選べず、全額以外の選択肢は無返金で取引終了しかありません。
そして、軽微な問題で返金を数回求めていると、不良品など、本当に全額返金して貰いたい時に実費で中国国内へ商品を返送しない限りは返金されない、といった状況に陥ってしまいます。
うがった考え方ですが、この図式をお店が逆手に取り、ユーザーが返送料を負担して返金を求めないであろう千円二千円くらいの商品の時に不良品を送り付けて、ユーザーが諦めることで儲ける、なんてことが起こったっておかしくないような気もします。
全ては悪意のあるユーザーの行動からルールが変更されているのですが、ごくごく普通に購入しているユーザーにもその影響はなかなか大きそう、というお話でした。