全くのド素人だからこそ第一種電気工事士に一発で合格できたお気楽な学習法の話

日本において、電気工事に関する作業は国家資格が無いと行ってはならず、例えば、壁に付いているコンセントを付け替えようと思った際に無資格の人間がDIYで行うのは御法度であり、電気工事士しか作業をしてならないことになっております。

だからこそ、ホームセンターで300円くらいのコンセントを交換するだけで5000円ほどの料金がかかったりするのですが、だったら自分も電気工事士になってしまえば、高額請求されることもないだろうと第二種電気工事士を受験したのは昨年の事。

全く持って経験のない電気に関する勉強をしつつ、今まで持ったことのない工具を用いて行う技能試験にも合格しましたが、電気工事士には第二種の上に第一種という上級ランクがありまして、第二種よりもかなり難しいと言われておりますが、せっかく勉強したついでに第一種も受験をしてみることにした次第です。

結論から申し上げますが、実際のところ、第一種と第二種の試験の難易度を比べるとそう大差がなく、個人的には第二種の時の方が筆記、技能試験どちらも難しかった印象が残りました。

第一種電気工事士に合格するためには筆記試験にまずは合格し、その後に行われる技能試験を合格する必要があるのですが、出題される範囲は第二種の方が筆記も技能も幅広く、第一種の方が覚えるべき事柄が明らかに少ないのです。

まあ、第二種を合格するためには複線図と工具の使い方をマスターする必要があって、これらを覚えるのにやや時間がかかるのですが、逆に言うと、この2つができるのならば、第一種の試験はかなりの確率で合格できるような気が個人的にはして、後は効率の良い学習法があれば、無理なく、いや、かなりお気楽に合格でき、なおかつ、取得するまでの費用もそれほど掛からない、というのが今回のお話です。

まずは、第一種電気工事の筆記試験のお気楽な学習法のお話です。

世の中には色々なテキスト教材が販売されておりますが、第一種の筆記に合格するためにはこういったものは一切不要であると個人的には考えており、過去に出題された問題をとにかく暗記するだけで、合格ラインである50問中30問の正解は確実にできるようになります。

今の世の中はYouTubeという便利なアイテムがありまして、第一種電気工事士の過去問を詳しく解説している動画が山のように存在しますので、この動画を視聴して答えの導き方をしっかり理解します。

そんなことすら面倒だと思われる方は、とにかく問題と答えを丸暗記するだけでもOKで、過去10年分の問題を丸暗記しておけば、確実に合格することができると断言できます。

なぜなら、第一種電気工事の筆記試験は4択で出題され、毎年のパターンとしましては、50問中30問くらいが過去に出題された問題がそっくりそのまま出てきます。

また、15問くらいが数値や文字、記号だけが変更されて出題され、5問だけは全く新しい問題が出題されます。

ですので、過去問を丸暗記するだけで合格ラインの30問には到達し、残りの20問が分からなかったとしても、当てずっぽうで四分の一の確率を全て間違えることの方が難しいため、幾ばくかの得点の上乗せが見込めるとなると、ほぼほぼ合格できてしまいます。

過去問の勉強方法としては、初めの一歩の際になにがなんだか全く分からないものの、理論なんてものは一切考えずに答えを暗記し続ければ1週間くらいでどの問題も30問正解くらいはできるようになります。

そして筆記試験の2か月前くらいから暗記し始め、日々の学習時間は暗記を集中的に5分から30分程度行えば十分対応できます。

ただし、暗記というものは忘れやすいものですので、なにがあろうとも、忙しくても体が思いっきり不調であっても、とにかく毎日5分から30分程度の暗記を忘れずに行うことが覚える近道になります。

ちなみに私の筆記試験は50問中46問正解でしたが、間違った問題は全て新たに出題されたものばかりであり、逆に言いますと、正解した46問は全て過去に出題されたものばかりでしたので暗記だけの勉強法は間違っていなかったと思います。

また、私はただ暗記しただけですので、試験から数ヶ月が過ぎた現在ではもう全てが忘却の彼方となっており、今から受験したら間違いなく不合格になるくらい、何一つも覚えておりませんが、受かるためだけのお気楽な学習法なのでまあこんなものなのだと思われます。

筆記試験に合格した後は技能試験が待っております。

第一種電気工事士の技能試験では、それなりの工具が必要となり、最低でもホーザンの 電気工事士技能試験工具セットがないと合格することは難しく、この工具の取り扱いに十分慣れておく必要があります。

第二種電気工事士を受けた後ならばこれらの工具を使用することはできると思われますが、第一種電気工事士の技能試験で私自身がやっておいて良かった工具の練習がございまして、それは電工ナイフの取り扱いです。

現在では電気工事の現場作業でも電工ナイフ自体を使用することが少ないそうで、第二種電気工事士の試験でも必要とする場面はほぼほぼないのですが、第一種の技能試験でCVVケーブルという少し特殊な電線が使われる問題がありまして、このケーブルを使った問題は少し厄介だったりします。

通常のケーブルは、上の画像のストリッパーを使用する、というか、このストリッパーがないとかなり辛くなってくるのですが、CVVケーブルに関しては、電工ナイフで被覆を剥くのが最も手っ取り早いと個人的には思っており、特に中身のより線を剥く際にはストリッパーだとうまく剥けないことが多いので、初めから電工ナイフで剥いた方が時間が短縮できます。

より線を剥く際には上の画像のワイヤーストリッパを使用すると簡単に剥くことができますが、電線の長さをいちいち設定するくらいなら電工ナイフで好きなだけ剥いた方が早いと思います。

電工ナイフは見た通りに刃物ですから、取り扱いを間違えますと怪我をしてしまうことにもなるものの、必ずグローブをはめて作業を行えば、少なくとも血だらけになることはありませんので、電工ナイフを使えるように練習しておくのは有効だと思います。

ちなみに、私が技能試験を受けた時の候補問題はNO10でして、この問題はCVVケーブルのみが使われる特殊な問題なのですが、試験会場の机が工具の置き場がなかなか確保できないほど狭く、周りをちらちら見ると多くの方々が悪戦苦闘しており、試験終了時に残念ながら未完成だった方々が結構おりました。

時間が足りなくなった最大の理由は、CVVケーブルの被覆剥きにあると思われ、これを少ない工具でスムーズに行えるのは電工ナイフだと個人的には思います。

技能試験の学習方法のメインは、これも筆記試験と同様にYouTubeであり、10個ある候補問題を組み上げていく動画を毎日1つずつ見て、飽きるほどに繰り返し視聴していると、複線図の書き方や電線の切る長さや組み方の順番などを簡単に理解することができます。

基本的には第二種の技能試験から少しだけ難易度が増したものばかりですので、第二種に合格していたら第一種も割と簡単に組み上げることができると思いますが、落とし穴や注意するべき点がいくつかあるので、動画にてちゃんと理解しておくことがかなり重要です。

また、先程も申し上げましたが、候補問題NO10のような第二種では出題されなかったちょっと特殊な問題も数問あったりしますから、こういった問題にも対応するには動画視聴が最も効率が良いと思います。

そして、技能試験の1か月前くらいから実践的な練習を行うのですが、特殊なケーブルはホームセンター等ではなかなか売られておらず、練習用の部材セット等を購入しないと実践的な練習ができなかったりします。

しかし、私自身は前述のナイフで電線を剥く練習と、ホームセンターで入手できるケーブルのみを使用しての実践的な練習を少々と、あとは動画視聴でのイメージトレーニングのみを行いましたが、それでも合格することは十分可能です。

とにかく、第二種の技能試験がしっかりできるのならば、第一種の技能はそう難しいものではなく、不合格になる最大の理由は時間内に組めないということなので、YouTube動画にて作成するペースをしっかり覚えることが重要で、後は技能試験での欠陥事例をしっかり読んでおけば恐るるに足りません。

ここまで長々と書いてまいりましたが、第一種電気工事士に私は合格したものの、実際には3年間の実務をこなさないと第一種電気工事士にはなれないため、合格したからと言って全ての電気工事を何でも行えるようになったわけではありません。

第二種電気工事士は持っているので、家の中での電気工事くらいはできる権利はあるものの、取得してから何一つもやってなく、そして第一種に合格しても3年間の実務をするつもりもないため、結局はド素人のままなのですが、ド素人だからこそ、合格するためだけの邪道な学習方法があった、というお話でした。