学校のバザーにアリエクスプレスで買ったガラクタを出したら好評だった話

私の知り合いから電話があって、子供の通う学校でバザーが行われるからなにか商品を提供してと唐突に言われました。

なんでも、コロナ前には毎年行われていた学校とPTAが主導して開催するバザーが今年から復活し、各家庭からバザーで販売する商品を提供してくれとお達しがあり、加えて知り合い自身もバザーの実行委員だそうで、商品をなるべく多く集めなければならないとのこと。

知り合い宅も多めに提供はしたものの、委員である以上、持ち寄る商品は多いに越したことがないので、私にもなにか提供しろと言います。

確かに地域の学校で行われるイベントであり、知り合いの子供もよく存じ上げておりますから、商品を提供するのはやぶさかではありませんし、確かに我が家にはアリエクスプレスで買ったくだらないガラクタの類が結構あります。

買った商品の中には一度も使わずに新品のまま押し入れの中へ放り込んだままのものが結構あって、これらの商品は未来永劫に日の目が当たることはなさそうで、いつかは処分することを考えなければならないのですが、新品だからこそ捨てるのは惜しく、結局は押し入れに入ったままになっております。

となれば、知り合いからの言葉は渡りに船のありがたいものだと思い込むことにし、快く商品を提供させていただくことにしました。

ただし、アリエクスプレスで買った商品だからこそ、バザー、しかも学校主催の場に提供して良いものなのかを考えてしまい、なぜならば、権利的にアウトな商品がアリエクスプレスには知らず知らずのうちに潜んでいるからです。

キャラクターグッズの類がアウトなことは簡単に分かるので除外しますが、例えば、アリエクスプレスにて100円で買ったスマホケースが実際にはどこぞのメーカーのパチモノだった、なんてことはよくある話で、こちらの意に反してパチモノを提供することになってしまう可能性はゼロではありません。

そして、子供たちの世界が残酷なのは今も昔もそう変わっていないはずですから、知り合いの子供が『おまえんちから持ってきたのはパチモノばかりじゃねーか』なんて罵られ、卒業までの間、いや、卒業してからもずっと『おい、パチモノ』なんて呼ばれ方になってしまわないかと心配にもなってきます。

かといって、提供する商品を一つずつ画像検索をして白黒をはっきりさせるのは手間がかかり過ぎるので、知り合いには「商品は提供するが、あなたがその商品を見定めて、あなたの責任の下でバザーで販売して」と言ってみると、知り合いはどこに問題があるのか、なにを心配しているのか分からない素振りで私が大きめの段ボール箱に詰めた商品を眺めております。

知り合いの表情を見てみると、商品を品定めしながらなにかニヤッとしており、直感的に「こいつフリマサイトで売って儲けようとしている」と分かったため、とにかく、権利的なルールに触れているのか触れていないのかが分からないから、大っぴらに転売することだけは絶対止めてくれと言い含め、ついでに「この段ボール箱を私は今この場に捨てたが、あなたはそれを勝手に拾っていったんだよ」とも言い含めて、このガラクタに対する責任は知り合いに全て転嫁しておきました。

それから1か月が経過した先日の事、もうバザーなんてすっかり忘れてしまっていたところに知り合いから電話が掛かってきて、私が提供した商品はどれもこれも大好評だったとのこと。

特に多く提供したのが、新品or1回か2回しか使用していない、かなり昔のiPhoneのスマホケースです。

iPhone6S、7、初代SEあたりのスマホケースなんて今の世の中で全くの無価値だと思いつつ、押し入れにあっても邪魔なので、かなり以前に安い安いと面白がってなんだかんだで結局100枚くらい買ったものを全て提供し、誰かタダでも貰ってくれないかなと考えていましたが、1枚10円、ものによっては200円くらいのお値段でも、ほんの一瞬の内に売り切れたとのこと。

親からのお下がりでこれらのiPhoneを使っている生徒がまだ結構いるらしく、10円くらいのお値段ならばまとめて買って頻繁にケースを付け替える需要があることに加え、アリエクスプレスでは100円から300円くらいのスマホケースでも、日本で買ったら1000円くらいはしそうな見た目のものだけを買っていたことが功を奏したようです。

また、スマホやPCで使えるガジェット類やマイクロSDカード、USBメモリー、充電ケーブル、LEDライトなどの商品もあっという間に売り切れたようです。

なによりも、バザー開催前の委員たちが行う値段付け作業の時点で、私が提供した商品の半分近くは委員や学校の先生が先に買ってしまったと知り合いは言っておりますが、それはバザーやフリーマーケットの主催者側が一番やってはならない行為のような気がするも、まあ、提供した商品が売れ残ったと言われるよりは売れたと聞いて私自身も嬉しい気もしました。

幸い、パチモノとのクレームも一切なかったようですし、知り合い自身も抜き取り検査的に画像検索でチェックしてみるとどれも問題はなかったらしく、アリエクスプレスの商品を提供したがために知り合いの子供がいじめられる事態にもならなかったようで、なによりも我が家の押し入れがすっきり片付きましたので、時にはバザーなどに提供するのもありだと思えたお話でした。