時々私のもとへメールが届くことがあるのですが、今回届いたメールには『アリエクスプレスで本物だと思って購入したフィギュアがどうやら偽物らしいのだが、返金はできるのか?』と書かれておりました。
アリエクスプレスには偽物だった場合に返金する制度が確かにあって、偽物だということが認められれば全額返金となりますが、偽物と認定する証拠を提示する必要があって、こちらの言いなりに返金が行われる性質ではなかったりします。
また、偽物ではなく不良品の類だとしても、日本まで届いてしまった商品を中国へ返送しなければ全額返金が認められないケースもあって、この場合の返送する運賃は購入者持ちで、中国までの返送が完了次第で返金が行われ、返送するのが嫌なら50%分の返金で我慢しろ、なんていう裁定が下されることもあります。
偽物を掴まされた場合に限らず、アリエクスプレスで購入した商品になにか問題があったら日本の通販のように着払いで返品すれば全額返金される、といった性質のものではなく、購入者の購入履歴や返金を求める回数、あるいは数値化された会員ランクなどが加味されてどのような返金になるのかを決定していると思われます。
あくまでも例えばの話ですが、100回購入して1回だけ返金を求めるユーザーと、10回購入して5回返金を求めるユーザーへの返金対応は間違いなく異なり、前者ならば返送をしないでも全額返金の裁定が下る一方で、後者は中国まで返送しない限りは全額返金は認められない、といったことにもなりかねません。
ですので、割り切って購入するのならともかく、怪しげな商品には手を出さない方が返金を求めることも少なくなり、ここぞという場面で返金を求める際に非常に有利な裁定が下されることにも繋がるのですが、そのためにもアリエクスプレスで販売されているフィギュアは本物ではないと思っていた方が良いと思われます。
アリエクスプレスのフィギュアのフィードバックを見ていると、非常に多いクレームがマイケルジャクソンのスムースクリミナルのように前傾姿勢になってしまうものが届いたというもので、自立はするものの、えらく傾いたフィギュアの画像と共に星1つの評価をよく見かけます。
これは輸送中に圧力が加わって姿勢が悪くなったわけではなく、商品の個体差がえらくあるようで、もしも本物ならば不良品として扱われるレベルでもごく普通に流通してしまっているところを鑑みると偽物としか思えません。
また、造形がえらく手抜きしているものも数多く、これがもしも本物の商品ならばネットニュースなるほどの雑な作りだったりすることが相当あります。
アリエクスプレスで本物のフィギュアが存在する可能性はゼロではありませんが、日本の税関の発表によれば、アニメキャラクターのフィギュアは没収される商品のかなり上位で、その送り先の大半は中国だそうですから、まあ、きっとそういうことなのでしょう。
偽物の場合には返金ができる制度がアリエクスプレスにはあるものの、危ない橋は渡らない方が良さそうに思える、アリエクスプレスのフィギュアの話でした。