何の因果かよそ様のお宅の雨どいを大雨の中掃除してきた話

そろそろ夕食を頂く時間となった頃、私の知り合いから電話がありまして、こういった時間にかかってくる電話はロクなことがないので、出ずに放っておくとコールはその1回で終わりました。

出なくて正解と夕食の準備に取り掛かろうとしていると、車のブレーキ音が聞こえたと思った後に玄関の呼び鈴で高橋名人の16連射を行っているかのような短い電子音が何十回も鳴り響き、タチの悪い借金取りが来たかの如くのドアを激しく叩く音も聞こえてきました。

先程の電話がなければ通報するほどの迷惑行為を行っていたのは案の定、私の知り合いでして、電話に出ないから家にまで乗り込んでくるほどの要件はなんなのか尋ねてみたところ、雨どいを掃除してくれ、とのこと。

なんでも、夕方のニュースで台風が近づく前の準備で重要なのが雨どいの掃除だと言っていたので雨どいを見てみたところ、雨水がうまく排水できておらずに雨どいから水が溢れており、この状態で台風が来たら大変なことになるかもしれない、と言います。

今の今まで気づいておらず、しかも今まで大事に至ってないのですし、雨どいから水が溢れたところで知り合い宅はご近所に迷惑をかけるようなこともないので、そのまま放置でかまわないと私は進言しましたが、『気になるからこそ、電話に出ないあんたの家にわざわざ来たんだから今から掃除してよ』とのたまいました。

もう日が暮れている時間帯であり、断続的にかなり激しい雨が降っている中、何の因果で脚立に上ってよそ様の雨どいを掃除しなければならないのかと当然思いますが、電話に出ないからと我が家に乗り込んでくる直情的な行動はまともではなく、断ったら付け火でもされかねない恐ろしさがあります。

嫌々ながらも雨合羽を着用し、アリエクスプレスで購入した配水管が詰まった際に解消できるパイプクリーナーを持って知り合い宅へ向かいました。

作業としては非常に簡単で、脚立に上って雨どいから水が集まって落ちていく集水器に溜まった枯れ葉を取り除き、手の届かない部分はパイプクリーナーを差し込んでレバーを握ると、詰まっていた枯れ葉がむんずと取れてジャボジャボと水が流れるようになりました。

確かに台風が来る前の備えは重要ですが、大雨がもう降っている状況で他人を巻き込むのは非常に迷惑でありつつも、アリエクスプレスで買って一度も使用していなかったパイプクリーナーがちゃんと使えたのは嬉しかったのですが、結局は人にこき使われただけの雨どい掃除をしてきた私の愚痴でした。