アリエクスプレスの雑な梱包でも一切文句を言わない私が唯一苦言を呈したくなった時の話

アリエクスプレスの大多数の商品は送料無料で販売されておりますが、その送料無料を実現するためには様々なコストカットが行われているのは間違いありません。

例えば、中国から日本まで輸送される際の航空便は、1個1個の荷物を手荷物的に丁寧に扱うことは絶対になく、大きな布の袋に様々な荷物と混載された状態で積み込まれ、その袋が時には放り投げられたりすることが当然あると思われます。

そういった場合に商品がダメージを受けて壊れないようにするために、梱包材や緩衝材が用いられるのがごくごく一般的な話なのですが、アリエクスプレスにはこの点をおろそかにするお店が意外と多かったりします。

最近の日本の通販はそうでもなくなってきましたが、以前は過剰ともいえるほどの緩衝材が用いられることが非常に多く、例えば、ごくごく小さな商品なのに、100cmサイズの段ボール箱に入れた上、とんでもない量のプチプチでくるんで出荷する、なんてことが結構多く見られました。

日本国内で荷物を蹴とばす、投げつけるといった行動をする配達員さんはそういらっしゃらないですし、輸送中の事故もほとんどないにも関わらず、出荷元が配送中の破損を絶対に起きないよう過剰に行っていた日本の梱包なのですが、それとは真逆であるのがアリエクスプレスのお店の梱包です。

最近では商品に対して気を遣った梱包を行うお店がかなり増えておりますが、以前はどんなに精密な商品あっても、いつものビニール封筒にただ入れるだけで発送するのは割と多く、申し訳程度のプチプチで軽くくるんだだけで発送してしまう例が異常なほど多かったのは紛れもない事実です。

まあ、それで不良品にならずに届いていたのですから、私自身はまあ良しとしていましたが、商品の外箱は確実に潰れておりましたし、開封前から嫌な気分にさせられるのは間違いなく、開封直後に不良品かどうかをすぐに確認しなければならないのも面倒な話でした。

人によっては外箱が潰れているだけでも不良品との認識を持たれるのかもしれませんが、私自身はとにかく無事に商品が届けば良くて、仮に不良品だったら返金して貰えればなにも文句はないので、こういった梱包状態でも仕方ないと思う人間です。

しかし、そんなアリエクスプレスにかなり飼い馴らされた人間であっても、この梱包はないだろうと小言の一つでも言いたくなったことが一度だけありまして、それはLEDバーライトを購入した時の話です。

LEDバーライトは、上の画像のようなバー上のLEDライトで、全体が放熱に優れたアルミ製であり、LEDを照らす部分がプラスチック製でできた、全長が50cmほどの照明器具のことです。

ただし、金属としては非常に柔らかいアルミ製であることに加え、照明部分が割れやすいプラスチック製、さらには50cmという長さの形状が仇となり、外部から力が加わると簡単に曲がってしまうだけでなく、とても折れやすい性質があります。

冒頭でもお伝えしましたが、アリエクスプレスの荷物は大きな布の袋に混載されて日本まで届きますので、このLEDバーライトを無傷で届けようとするのなら、それなりの梱包材や緩衝材が必要なことは誰でも想像するのに難しい事ではありません。

私が購入したお店はこのバーライトを製作している工場の直営店だったのですが、私に発送してきた荷姿は、いつものビニール封筒にただ放り込んであるだけで、しかもひとまとめにせずに5本がバラバラに入れられていたので、届いた際には5本すべてが半分に折れ曲がって使い物にならない状態でした。

折れやすい商品だからこそ、ひとまとめにする、あるいは、段ボールを筒状にしたものの中に入れて折れないようにする、といった気遣いがあっても罰は当たらないような気がするのですが、『受注して発送してしまえば後は知ったこっちゃないアル』といった塩梅で、梱包に気を使わないお店は割と存在します。

結局のところ、『輸送中にダメになったら運送屋の問題アル。うちのお店は無関係アル。返金すれば万事解決アル』との概念が根底にあって、ユーザーがその商品に満足しなければ、お店に商品代金が入ってこないことを忘れてしまってる事例は今でもかなりあります。

それに関連して、梱包に全く関心のないお店は商品自体もゴミである事が不思議と非常に多く、たとえ商品がまともであっても、髪の毛や虫の死骸が同梱されていて、結局は嫌な気分にさせられることが高確率で起こったりするので、お店の良し悪しは梱包の丁寧さで案外分かるのかも、というお話でした。