
最近のアリエクスプレスは、アマゾンや楽天で購入するのとほとんど変わりがないように思え、購入して代金を支払う方法や個人情報の設定など、誰もが簡単に行えるようになったことに加え、お店とメッセージでやり取りを行う機会がほとんどというか、全くなくなっていることも大きな要因だと思います。
おそらく、コロナ禍以降にアリエクスプレスを利用し始めた方は、『お店とメッセージでやり取りを行う』との意味すら分からないと思われ、そもそも、アプリやPCサイトにお店と連絡を取るメッセージ機能があることすらご存じない方が結構いらっしゃるかもしれません。

現在のアリエクスプレスにおいて、販売店に連絡を取らねばならない事なんて一切なくなりましたが、かつてのアリエクスプレスでは、10回の注文、いや下手をすると5回に1回くらいの割合でお店に問い合わせをしなければならない場面に遭遇しました。
異なる商品が届くのは日常茶飯事でしたし、色が違う、種類が違うなどの注文通りの商品が届かないことが頻繁に起こりました。
現在は、そのような事態になったら流れ作業的に返金をアリエクスプレスの求めるだけで素早く決着するようになりましたが、以前はメッセージ機能を使い、発送したお店へ画像を添付してまずは問い合わせを行うのがアリエクスプレスのルールでした。
そして、お店との話し合いで決着がつかない場合に初めてアリエクスプレスへ返金を求め、その裁定が下るまでにもなかなかの時間が掛かって、ようやく問題の解決がするのがごくごく当たり前の光景でした。

それともう一つ、かつてのアリエクスプレスにおいて、メッセージでお店へ問い合わせるのには大きな意味があり、それは、フィードバックのスコアを極度に気にするお店が非常に多かったことにあります。
お店の過失が原因でネガティブなフィードバックを付けられることを、以前のアリエクスプレスのお店は非常に恐れており、看板に傷が付くような事態になるのなら、損をしてでもユーザーに満足してもらう精神がどこにも宿っておりました。
例えば、注文と異なる色の商品が届いたら、まずはお店へその商品の画像を添付してメッセージを送ると、そのお店は『もう一度無料で商品を送るから、くれぐれも返金を求めたり、ネガティブなフィードバックは付けるなよ』と返信してきて、ちゃんと代替品を送ってきてくれまして、だからこそ、お店とのやり取りにはメッセージが欠かせませんでした。

しかし、現在においての返金はごくごく簡素化されており、月に5回程度ならばどんな理由であっても返金が受けられるシステムになりました。
また、お店自体がネガティブなフィードバックを付けられるのを以前のように嫌悪しなくなり、赤字を出してもフィードバックの数字を維持しようとの気概も見受けられなくなったことも、メッセージでのやり取りが減った要因なのかもしれません。
日本人ユーザーが中国人のお店の経営者に英語でメッセージのやり取りを行うと、なかなか酷い伝言ゲームになることは結構多く、とんでもなく罵られたり、やたらなれなれしく、時には愛の告白のような言葉が並ぶメッセージが届いて戦慄を覚えたりと、色々と面倒なことがありましたが、かつての方がなにか血の通ったやり取りがあった、アリエクスプレスのメッセージのお話でした。