アリエクスプレスには競走馬の滋養強壮剤なんてものまで販売されている話

現代においては定かではありませんが、昭和の時代から平成の前半までの競馬の世界では、競走馬の能力を一時的に高める薬品やら食品が使われることがあったと言われております。

勿論、こういったことは法律に違反するのですが、人間のスポーツ競技においてもドーピングを行う事例が当時は結構あって、金メダリストがメダルをはく奪される、なんてことが割と多かった時代ですので、大金が動く競馬ならばなおさらでした。

今と昔で何が違うかといえば、そこに係る人間たちの民度の部分がかなり大きいような気がしますが、人でも競走馬でも、競争後に行われる尿検査の精度が格段に上がったことが考えられ、逆に言えば、昔は発覚しづらいからこそ、薬物を使用する事例が多かったのだと思われます。

競馬の世界で、厩舎がどうしても勝たせたい時のことを勝負駆けと言ったりしますが、かつての競馬で一部の厩舎での勝負駆けの際、馬を一時的に興奮状態にさせる良からぬモノを与えたりすることがあって、その行為をカマすと言いました。

過去3走にわたって着外の馬が今回に限って突然激走して大穴を開ける、なんてことは競馬において全然珍しいことではありませんが、これを人間が意図的に行うのがカマす、あるいはカマシであり、当時の検査では引っかからないドーピングを施して勝たせる事例があって、それをも見極めるのが予想の一部だと広く考えられておりました。

そして、その当時にカマシに使われるモノは中国の秘伝の漢方系の薬だと、まことしやかに言われていたのですが、現在のアリエクスプレスにも『競走馬の滋養強壮剤』という商品が販売されておりました。

おそらくは粉状であるこの薬品にはわざわざ競走馬の画像が描かれており、商品名には『筋肉の爆発力と持久力を強化し、素早く回復』と、カマす際に補ってほしい能力がきちんと書かれており、30年以上前からこの薬品が存在していたかとの想像が膨らんでしまいます。

しかも、お値段はたったの7千円ちょっとと、競走馬にかかる費用として考えるのならばタダみたいなもので、昭和の時代には本当にこういったものでカマしていたような気が、当時の競馬を見ていた人間ならばしてきます。

ちなみに、少なくとも日本の競馬ではこういった行為は失うもののほうが多すぎるため、こういったものは使用されないと思いますが、世界ではもしかすると今でもカマすような競馬が行われているのかも、というお話でした。