忌み嫌われてていた足立ナンバーがアリエクスプレスでは売れ筋だった話

私は東京都の足立区で生まれ育ち、二十代前半で東京都の山沿い地域に移り住んだのですが、その際に山沿い地域の人々にかなりの違和感を持たれたのが、車と原付に付いたナンバープレートでした。

今の今まで足立区に居住していたのですから、引っ越した直後は当然、車は足立、原付は足立区と表記されたナンバープレートが装着されているのですが、この足立ナンバーがこちらの人々にはガラの悪い象徴のように見えるようで、なにか私を過度に警戒している様子がございました。

確かに、足立、あるいは足立区ナンバーが酷い地域からやってきたことを示し、このよそ者は極悪非道な人間なのかもしれない、もしかしたら当たり屋でお金をせしめようとしているのかもしれない、と思われる土壌が一切ないとは申しません。

しかし、足立区民からすると、足立ナンバーが怖い、ガラが悪いと思われるよりも、なにか恥ずかしい、ダサダサだとの思いの方が強いのは間違いなく、品川ナンバーには10対0の大差で負けていることを足立区民の誰もが知っておりました。

足立ナンバー圏外の人々には怖がられ、圏内の人々からは疎まれるという、たかが車のナンバープレートでこうにもネガティブな印象を持たれるのも珍しい気がしますが、とにかく、できることならば足立ナンバーは装着したくないと考える人間は、現在でも結構いらっしゃると思われます。

しかし、アリエクスプレスではあの忌み嫌われている足立ナンバーが結構な人気を博していたりします。

アリエクスプレスでは日本のナンバープレートのレプリカが大量に販売されておりますが、日本人から見るとその出来は非常に悪く、ガラクタ以下にしか見えない酷い商品ながらも、非日本語圏の人々からは結構な人気があったりします。

そんなレプリカナンバープレートの中に足立ナンバーがございまして、もう既に70件以上の注文が入っていたりするのですが、これはナンバープレートの中では売れ筋と言ってよい注文件数です。

当然、日本人ユーザーが質も出来も非常に悪い足立ナンバーをわざわざ購入することはないものの、外国人からしてみると『足立』の字体がクールに見えるのか、あの品川ナンバーよりも間違いなく売れております。

ところ変われば品変わると言いますが、日本人の感覚では避けるものであっても、外国人には受けているものがあって、それは足立ナンバーというお話でした。