アリエクスプレスのフィギュアの一部には混沌した世界が広がっている話

アリエクスプレスで販売されているフィギュアは、ある意味、最もダークでカオスな商品カテゴリーと言えるような気がします。

ダークな点につきましてはもはや説明が要らないような気がしますが、その要因は模倣品が大量に溢れていることでして、特にアニメキャラクターのフィギュアで本物を見つけること自体が奇跡のような作業であり、販売されているほぼ全てが偽物と言っても過言ではありません。

もう一つのカオスについてですが、これは販売されているフィギュアの種類の多さに加え、誰が買うのだろうと思ってしまう商品が沢山あることに尽きます。

例えば、日本では相当に知名度の高いジャッキー・チェンというアクションスターがおりますが、ジャッキー・チェンが90年代に主演した酔拳2のフィギュアがアリエクスプレスには販売されております。

確かにこのフィギュアはよくできており、不覚にも私も欲しくなる要素が多分にありますが、80年代90年代だったらいざ知らず、2025年現在でジャッキー・チェン、しかも酔拳2のフィギュアを売ろうとはなかなか思いつかず、それを実行してしまうのはカオスと言っていいでしょう。

また、カンフー映画系でいいますと、イップマンというシリーズのドニー・イェンのフィギュアもアリエクスプレスで販売されておりますが、こちらは先程のジャッキー・チェンよりも知名度は劣ると思いきや、そんなことは関係ないと、種類がかなり豊富に売られているカオスな状況です。

確かにこちらも作りはよくできており、イップマンシリーズを改めて視聴した後だと私は買ってしまう可能性も出てきますが、そういった声はおそらく少数派であり、なかなか手を出すお客はいないように思われ、となると、なぜ色々と販売されているのかが不思議になってきます。

アリエクスプレスにはプロレスラーのフィギュアもかなり多く販売されており、今現在のアメリカや日本のレスラーのフィギュアが大量に販売されております。

しかし、これらはおそらく権利的な問題が大いにあるフィギュアなのですが、権利的な問題を回避するためなのか、かなり以前のレスラーをフィギュアにしているのをよく見掛けます。

中でも、誰が買うのだろうと常々思っているのが、上の画像のアンドレ・ザ・ジャイアントです。

アンドレ・ザ・ジャイアントは人間山脈との愛称で確かに有名なレスラーではあるものの、そんなことを知っているのは昭和生まれだけであり、そもそも、もう1993年にお亡くなりになられている方だったりします。

そういった観点から見ても、現在の需要は多くなさそうに見えるのですが、それでも今になってフィギュアを需要の有無に関係なく作ってしまうのはなかなかのカオスです。

最後はアリエクスプレスで溢れかえっているアニメのフィギュアの中からでして、商品名にはキャッツアイと書かれておりますから、街はきらめくパッションフルーツでお馴染みのあのキャッツアイのフィギュアだと思われます。

私も当然、キャッツアイというアニメや漫画を知っておりますが、この販売されているフィギュアの顔を見ると、私の記憶の中の三姉妹とはかけ離れております。

もしかするとそういったバージョンがあるのかもしれないものの、月明かりあびて we get youのキャッツアイとは到底言い難く、それでも堂々とキャッツアイだと販売してしまうのが最大のカオスです。

アリエクスプレスのフィギュアは買うものではなく、見るものだと個人的には思っており、それはフィギュアになりにくそうな題材でも果敢に攻めて平気で製作してしまうところが楽しいから、というお話でした。