今はDVDを視聴するのもなかなか難しい世の中になっていることを実感した話

今から20年ほど前の時代の事、年末年始の大型連休中にレンタル屋さんから映画のDVDを大量に借りてきて視聴する、なんて行動がごくごく一般的だったのは、各家庭にDVDプレイヤーがあったからであり、そもそも家庭でテレビ以外の映像を視聴するのはDVDやビデオくらいしか方法がなかったことが全てであります。

それから時を経た現代において、大型連休は何も変わっていないものの、その過ごし方は大きく様変わりし、特に映像を視聴することに関しては大変な変貌を遂げております。

年末の連休が始まったばかり頃に私の知り合いから連絡がありまして、『昔に録画したDVDが大掃除でいっぱい出てきたんだけど、プレイヤーが無いので見られない。お正月中に見たいからなんとか見られるようにしてよ』と言われました。

DVDメディアは現在でも流通はしているものの、20年前に比べたらメジャーな媒体ではなくなってしまい、それは知り合いが言うように、DVDを見るために必要なプレイヤー自体を処分してしまっている家庭が多いことからも分かります。

さて、知り合いに依頼された件は、我が家には大昔のDVDプレイヤーがどこかにあったはずなので、それを渡せば万事解決だと押し入れの中を引っ搔き回していると発見できまして、古ぼけたやたらと大きなDVDプレイヤーを持って知り合い宅へ持って行けば、この話は終わるものだと思っておりました。

知り合い宅に着き、早速テレビにDVDプレイヤーを接続しようとすると、テレビに赤白黄色のRCA端子(上の画像のアンテナ線です)が存在せず、外部接続はHDMI端子しかなくて接続することができません。

私が持って行ったDVDプレイヤーは2003年製となっておりましたので、当時はRCA端子でテレビと接続するのが一般的というか当たり前だったのですが、20年余りの月日が流れると、テレビ本体にRCA端子自体がなくなってしまい、この状態でDVDプレイヤーを接続したいのならば、RCA端子からHDMIに変換するアダプターが必要なものの、私の手持ちにありません。

かといって、今からアリエクスプレスで注文したとて4日間くらいは掛かりますし、そもそも、私自身に全く必要のない変換アダプターを知り合いのために購入するのもなにかシャクに障ります。

それ以外にDVDを視聴できる方法を考えてみると、私の手持ちにあるのはPC用の外付けDVDプレイヤーしかなく、それを知り合い宅のノートPCに接続し、ノートPCとテレビのHDMI端子にそれぞれ繋いで出力させるくらいしか方法が見当たりません。

結局、外付けDVDプレイヤーを家に取りに帰ってすぐに知り合い宅へ引き返し、PCでのDVD再生方法を教え、どうにかこうにか知り合い宅のテレビにかつて録画したであろうDVDメディアを再生することができるようになりました。

この件でふと思ったのは、20年前なら多くの人々が夢中になっていたPS2などのあの頃のゲーム機も、現在のテレビでは接続ができないこともあるわけで、時代の流れを感じずにはいられませんでした。

また、『デーブイデーも見れる』との謳い文句のテレビ通販で液晶付きDVDプレイヤーが販売されており、失礼ながら誰が買うのだろうと、私は見るたびに常々思っておりましたが、DVDメディアをおいそれとは再生できない世の中のニッチなニーズを、実はちゃんと捉えられている商品であることにも気付きました。

ただ、DVDにしろ、PS2のようなあの頃のゲーム機にしろ、現代では必要としていない方が大多数だからこそ、当時の方法で接続するのが難しくなっており、今の世の中で過去のDVDを視聴するのは結構難儀だった、というお話でした。