アリエクスプレスは海外通販であり、購入した商品は中国から発送され、日本へ到着した際に税関でのチェックを受け、問題のない商品ならば国内のユーザー宅へ届けられることになります。
この税関で発生する問題は、アリエクスプレスに限ると、著作権や商標権など他人の権利を侵害した商品だった場合には購入した商品が没収されることです。
税関で権利的な問題から没収というと『自分は偽ブランドモノを買うことはないし、関係のない話だ』と思われる方が大勢いらっしゃると思われ、私もその一人なのですが、税関にて没収される商品は分かりやすい偽ブランドモノだけではありません。
むしろ、アリエクスプレスでよく見かける商品が、実は権利を侵害していて没収される対象になっている、なんてことは結構あります。
先日報じられていた2023年の税関での輸入差し止めのニュースの中には、ブランドモノや大谷翔平ユニフォームなど分かりやすい商品だけが掲載されておりましたが、財務省が公表している『令和５年の税関における知的財産侵害物品の差止状況（詳細）』というページを見ておりますと、他人事ではないような商品が没収されておりました。
2023年に税関で差し止められた数は前年の約18%増、数にすると歴代2位となる押収量だったそうで、その大半が中国からの輸入品に加え、配送方法は郵便物がほとんどだったとのこと。
この一文だけでなにか連想しろと言われれば、答えは数多くあったとしてもアリエクスプレスが不正解でないのは間違いありません。
ただし、多くのアリエクスプレスユーザーにこういった問題は無縁であるものの、故意でなくとも没収になってしまう商品を選ぶ可能性はゼロではなく、その理由は先程の財務省のホームページにあります。
『税関で輸入を差し止めた侵害物品の例』の中にはごくごく普通にアリエクスプレスで見掛ける商品が色々と掲載されており、特に意外だったのが、衣料品やバッグに装着されているファスナーが商標権に引っ掛かって没収になる、というものです。
アリエクスプレスで衣料品やバッグを購入する時、デザインやロゴが引っ掛かることは想像できても、ファスナーの刻印で没収になることはこれっぽっちも想像できません。
しかし、そういった理由によって問答無用で没収されているようで、もしも税関で没収になってしまったらアリエクスプレスから返金してもらうことも不可能なため、購入者の丸損ということになります。
仮に没収されたとしても、大量に輸入して国内で転売するなどの手口でなければ、刑法的なお咎めはないものの、金銭的損害は免れませんので、アリエクスプレスで購入する際には税関に没収されるような商品群を理解しておくのも重要かも、というお話でした。