ドル円の為替レートが34年ぶりの安値になったと報じられ、1ドル=155円はおろか170円くらいまで円安が進行するのでは?との論調をよく見かけるようになりました。
円安になると海外から輸入してくる商品の日本円での価格が上昇することになり、これはアリエクスプレスで購入する商品も同様なので、以前よりも割高になってしまうことになります。
しかし、アリエクスプレスの一部の商品に関しては為替レートの影響が全く見られず、むしろ以前よりも安く販売されている商品も散見されます。
アリエクスプレスにはChoiceと表示されている商品があって、これはアリエクスプレスが厳選した商品だけを集め、一定の金額以上を購入してくれるのならば送料無料、しかも日本までたったの7日間以内に荷物を届ける、というものです。
また、アリエクスプレスが厳選したとのことだからなのか、Choiceの商品はかなりお安く販売されているものが多いのが大きな特徴で、現在の為替レートを考えると日本円では高値になるはずなのに、為替レートを無視したかのような価格設定が行われているものも結構あります。
現在Choiceで販売されている商品の中には、アリエクスプレスの中で破格値になっているものが日々存在しているのですが、大規模なセールでもないのに、なぜそんなことが行われているのか?との疑問が浮かんできます。
『安いのには訳がある』との言葉から考えると、なにかネガティブな要素から安くなっているように思えてしまうのですが、今回に関しては私はそうと思えません。
私が考える理由としては、アリエクスプレスは同業他社にシェアを奪われていて、それを奪還するために無茶な安売りを日々行っているような気がしております。
アリエクスプレスの同業他社は色々ありますが、最近、Temuという中国通販を色々な媒体で見掛けます。
Temuが2023年にかけた広告費は4500億円以上だそうで、そこまでの費用をかけるのならば、割と頻繁にその広告を見掛けるのは間違いなく、興味を持たれる方々もそれ相応にいらっしゃるでしょう。
となると、中国通販へのハードルがない、今まではアリエクスプレスで購入していた方々の中にもTemuを利用するようになり、結果的にシェアが奪われているような気がして、それを奪還するためにもアリエクスプレスはお値段で勝負している気がするのです。
ただし、アリエクスプレスは色々なお店が集まる商店街的なECサイトですので、極端に安く販売するお店もあれば、ごくごく普通に営業しているお店もあって、むしろ、普通に営業しているお店の方が大多数だったりします。
極端な安売りをしているアリエクスプレスのお店の母体は、アリエクスプレス自身が運営しているお店が数多く、資金を多く投入してもへっちゃらなのでしょうが、だからこそ、普通に営業しているお店との格差がかなり大きくなっている印象もあります。
ユーザーとしては安く買えるに越したことはないのですが、この二極化したアリエクスプレスの販売店がもたらすものはあまり良いことは無いような気がして心配な面もある、というお話でした。