エアコンの送風ファンの掃除はできれば分解し取り出してカビキラーで洗浄した方が良い理由の話

まだ5月なのに夏のような暑さに見舞われることが多く、必然的にエアコンを稼働させる機会も前倒しになってしまうのですが、冷房を使い始めるにあたり、エアコンの掃除を行った方が良いのは間違いありません。

掃除といってもフィルターの埃を取る程度のことではなく、エアコン内部に蔓延るカビを全部取り切るのは難しいとしても、見える範囲くらいのカビを何とかケアする掃除のことでして、自らで行うには面倒で多少のスキルも必要になりますが、行った方が絶対に良いと個人的には思います。

冷房時のエアコンの内部は水気が充満し、その水分が完璧に乾く前に必ずカビが発生し、それを夏の間の毎日にわたって繰り返すのですから、エアコンの内部はとんでもないカビの温床になります。

その証拠に、どんなに高性能なエアコンであろうとなかろうと、LEDライトを片手にエアコンの吹き出し口を覗いてみれば、筒状の送風ファン(シロッコファン)とその周辺は粒状になった黒い塊がびっしりと見えるはずで、それは全てカビに他なりません。

他にも、冷房時に出てくる水を排出するドレンパンや、フィルターを外した時に見えるアルミフィンにもカビは生えますが、特に酷いのは筒状の送風ファンであり、このファンから冷風が出てくることを考えると、涼しい風と共にカビも確実に運ばれてくることになります。

エアコン稼働時に嫌な臭いがする、あるいは黒い粒粒がエアコン周辺に散らばっているという現象はこの送風ファンのカビが影響しているのは間違いなく、これをどうにかするには掃除をするしか方法はありません。

では送風ファンの掃除をしようと、誰もが自らで行え、費用もほとんどかからない作業なのが、吹き出し口から綿棒等で送風ファンを拭くというもので、この作業は私自身も数年前まで行っておりました。

しかし、送風ファンの一つ一つを拭く作業はとんでもなく時間がかかるだけでなく、筋力的にも相当な負担があります。

また、見た目には綺麗になったのでエアコンを稼働してみると、送風ファンから取り切れていないカビが一斉に放出されて嫌に気分にさせられますし、作業から1週間もすると送風ファンに再びカビがこびりつき、1カ月もすると全てが元通りになって、あの作業が全く報われないことを再認識するも、綿棒で拭き取るしかやりようがなかったのが以前の私でした。

しかし、ドラッグストアで見掛けたカビキラーのパッケージに『5分で根に効く』という文言が書かれているのを見て私はひらめきました。

カビは植物のように根を生やす性質があって、その根を退治しなければ表面上のカビを除去しても根を通じてカビが再びどんどん出てきてしまうため、カビキラーの役目は、カビの根っこごとそぎ落として根絶させることにあります。

カビの生えた送風ファンで置き換えますと、綿棒で表面上のカビが落としたとしても、送風ファンに根付いているカビを取り除くことは絶対に無理であり、だからこそ作業から1カ月もすると元通りになってしまうことをここで理解しました。

となれば、送風ファンにカビキラーをかけてしまえば万事解決と思いきや、カビキラーは金属を簡単に腐食させてしまう効果があるため、エアコン内部に使われている金属パーツにかかってしまったら非常に厄介なので、エアコンから送風ファンを取り出してカビキラーを噴霧することがベストなのですが、そのスキルが以前の私にはありませんでした。

しかし、今の世の中はYouTubeという便利なアイテムがあり、メーカー名+分解で検索すればほぼ全メーカーの分解動画があるので視聴し、全て自己責任ですが挑戦してみる価値があるとやってみた結果、送風ファンを取り出し、お風呂場でカビキラー1本分を全体的にかけて10分間放置した後に良く水洗いを行うと、新品のような美しさになりました。

また、送風ファンが取り外せたことでエアコンの内部やドレンパンも綺麗に水洗いができるようになり、特に壁側のアルミフィンやドレンパンは送風ファンを外さないとなかなか掃除ができませんから、今まで手付かずで相当に汚かった部分の汚れを落とすことも可能になりました。

送風ファンを取り外して掃除する最大の利点は、ちまちま綿棒で掃除する作業の十分の一にも満たない僅かな労力で誰がどう見ても新品のような仕上がりになることであり、カビの根っこを除去することでカビが生えづらくなって、あの嫌な臭いをほぼ感じないことがワンシーズン続くことです。

ただし、この作業は故障の原因や思わぬ事故にもなることもありますし、使われている素材によっては送風ファンにカビキラーをかけること自体が御法度であることも無きにしも非ず、あくまでも自己責任において行わなければならないのですが、もしもできたのならば、今まで使っていたエアコンとは全く別物になった感覚が得られるのは確かです。

この作業は業者に依頼することも可能ですが、今まで申し上げてきました通り、送風ファンを取り外した状態で全体の水洗いを行い、送風ファンのカビを根絶やしにしてくれる業者の方が仕上がりは間違いなく良いと個人的には思います。

現代の暑さはエアコン無しに生きていくことが難しいため、エアコンは誰にとっても必需品だと思われますが、本格的な夏を迎える前に送風ファンのチェックをしてみるのもあり、というお話でした。