熱帯夜の就寝時はエアコンを消さない方が良いことが分かった出来事の話

今年の梅雨はやたらと蒸し暑く、深夜から朝方にかけても気温があまり低くならず、熱帯夜になることが非常に多い気がします。

私は東京都の山沿い地域で暮らしており、都心に比べれば深夜から朝方にかけて多少涼しくなるのですが、今年は温度の下げが少ないうえに湿度がかなり高いため、エアコン無しで涼しいと感じることが一切ございません。

そんな熱帯夜がそろそろ明けるAM5:00に電話が鳴り、寝ぼけながら出てみると着信の主は私の知り合いの子供からでして、なんでも、お母さんが突然フラフラになってどうしようと思っていたら、私へ連絡しろと言われ、泣きながら電話をかけてきました。

フラフラならば私ではなく救急車へ連絡する方が良いと思われ、すぐに119番へ連絡することを進言しましたが、そこまでの不調ではないとお母さんが言っているとのこと。

だったら、夜明け前で就寝中の私を叩き起こさなくても良さそうに思えますが、フラフラになった人間を放置することもできないので、知り合いに電話を代わってもらい、詳しい症状を聞くことにしました。

知り合い曰く、喉が渇いて目が覚めて起きようとしたものの、強めの頭痛に加えて体の至る所がだるく、めまいがするとのことで、脳の問題ならば深刻な事態になりかねませんから、私は知り合いに救急車を要請することを提案しましたが、そんな必要はないと頑なに拒みます。

だったらなんなのかを尋ねてみると、知り合いは『おそらく熱中症』と言い、続けて『寝ている間に熱中症になっただけだから救急車は大丈夫。でも、すっきり治すためにもポカリかOS1を買ってきてよ』と、のたまいました。

安らかにお休みになっている人間を自らの子供を使ってたたき起こし、ポカリを買ってこいとはよく言えたものだと逆に感心してしまい、『塩を舐めてから水を飲めば同じだ、バカヤロー』と返答して電話を切ろうとしましたが、泣きながら電話をしてきた知り合いの子供が側にいる手前、邪険に扱うのもなんなので、眠い目をこすりながら冷凍庫からアイスノンを出し、コンビニでポカリを買って知り合い宅へ向かいました。

熱中症になったという知り合いに、まずはアイスノンを両腋に挟ませてからポカリを飲ませ、エアコンで部屋を十分に冷やすと見る見るうちに回復してきたので詳しい話を聞いてみると、寝る前にエアコンを消すのが習慣で、今日はちょっと暑い気がしたものの、いつも通りに消して寝たら熱中症になったとのこと。

なぜ、寝る前にエアコンを消すのかを尋ねると、エアコンを点けたままだと風邪を引くだけでなく、死ぬこともあるからだと言い、情報が昭和の時代からなにもアップデートされていないことが分かりました。

確かに、エアコンを点けたままで布団を掛けずに寝ると翌日だるさを覚えることがあるものの、部屋をよく冷やして布団や毛布をしっかりかけて寝ると快適に熟睡ができますし、少なくとも熱中症になることだけはありません。

ニュースを眺めていると、夜間の熱中症で救急搬送される事例はかなり多く、その大半は昭和に生まれた世代のように思えるので、エアコンや扇風機を点けたままだと死ぬとの情報がそうさせているとしたら、これはかなり根深い問題なのかもしれません。

熱中症は、数ある病の中でも、水分、塩分、適度な温度が保たれていれば発症が防げる唯一の病気だと思われますが、私の知り合いのように古い昭和の感覚があるがゆえに発症することもあって、その代償として早朝にたたき起こされてポカリとアイスノンを運ぶ哀れな人間がいた、というお話でした。