自転車の盗難防止にはアリエクスプレスの日の丸ステッカーを貼るのが効果的な話

もうそろそろ床に就こうとした真夜中過ぎの事、私の知り合いから電話が掛かってきて、電話に出るなり『玄関先に置いてあった子供の自転車が盗まれている!!!』との大声が聞こえてきました。

私は警察でも探偵でもないのですから、お宅の自転車の行方を探し出す術はないですし、防犯カメラを設置してない玄関から盗まれたのならば犯人を見つけ出す事も出来ないでしょうし、仮に自転車が後になって見つかったとしてもボロボロの状態で出てくるだけでしょうし、ましてや、施錠していなかったことが盗難に至った原因のようなので、今回のことは素早く諦め、とりあえずもう寝て、全てを忘れることをおすすめしました。

すると、鼓膜が破れるかのような怒鳴り声で『もう少し親身になって話を聞きなさいよ!!!!』と言われたので、眠い目をこすりながらも渋々話を聞くことにしました。

話をよく聞いてみると、盗まれた自転車は私がだいぶ前に購入した安物折りたたみ式自転車だそうで、私が乗りにくいと知り合いに話したら、その日の内に新品の状態で強奪された経緯がありまして、いわば、知り合いが私からかっぱらっていった自転車が、また別の人間に盗まれただけのようなのです。

だったら知り合い宅の金銭的な損失はゼロですし、そもそももう結構な時間が経過している自転車なのですから、すっぱり諦めるのが正解だと諭し電話を切ろうとすると、一応、盗難届を出したいが防犯登録が私の名前のままなので警察へ行って手続きをすることと、新しい自転車を購入しに付き合えと伝えたく連絡してきたそうで、それを承諾してようやく電話を切ることができました。

翌日、新しい折りたたみ自転車を購入しに行きましたが、『一度盗難されるとこれから先も不安だ』と知り合いが何度も言ってくるので、ちゃんと施錠してあって玄関先に置かれている自転車を鍵を破壊してまでかっぱらおうとする下手人はそう多くないと諭すも、知り合いには満足な意見ではなさそうです。

だったらと、私もかつては実践していた、とっておきの盗難防止策を教えることにしました。

その方法はいたって簡単でして、自転車のよく見える位置の数か所に日の丸のステッカーを貼っておくだけです。

私は東京都の足立区という地域で生まれ育ち、80年代から90年代のこの地域では自転車やスクーターの窃盗事件がとんでもなく頻発しており、ちゃんと施錠をしていても、それをいとも簡単に破壊して盗んでいく手口がかなり横行しておりました。

そこで私の住む地域で生み出された手法が、自転車やスクーターのよく見える位置に日の丸のステッカーを貼っておくことでして、これを行うとあら不思議、盗まれるどころか、誰かに触られた形跡すらもなくなってしまうのです。

日本に生まれ、日本に住んで生活する生粋の日本人なのですから、自らが使用する自転車やスクーターに日本国の国旗のステッカーを貼ることになんらおかしい事などなく、ごくごく自然な行動だと思うのですが、日の丸にはなぜか別の連想が働く強大なパワーがございます。

もしも、前を走るボロボロの軽自動車が1車線道路を無意味に低速で走行していたら、後ろを走る車はクラクションを鳴らし、気の荒い人間ならば怒鳴ったりするかもしれません。

しかし、軽自動車のリアガラスの中央に日の丸のステッカーが貼られていたら、そういったアクションを起こす人間は相当に減ると思われ、むしろ近づかない方が良いと無意識に考える方が多いような気がします。

この特性を逆手に取り、自転車やスクーターに日の丸を貼り付けると、しょっちゅう盗難が行われたかつての足立区でも全く盗まれなくなったことを思い出し、知り合いの子供の新しい自転車にはアリエクスプレスで売られている日の丸ステッカーを貼り付けておくことを進言したのですが、そんなのは絶対にダメだと知り合い親子共々に罵倒され、今帰宅しました。

現在の駐輪場事情は知りませんが、かつてはどこの駐輪場も満杯だったものの、日の丸ステッカーを貼っておくだけで他の自転車が全く寄り付かない現象が見られたり、盗難だけでなく、恐喝などのトラブルにも遭遇しなかったりと、利点しかなかったように記憶しているのですが、知り合い親子には全く受け入れて貰えなかった、かつての足立区で効果的だった自転車盗難の予防策のお話でした。