
一休さんのとんち話は日本人に広く知られており、例えば、『屏風に描かれた虎を縛ってみよ』と無茶なことを言う将軍に対し、一休さんは『屏風から虎が飛び出てきたところを私が捕まえますから、まずは屏風から虎を追い出してください』と返答して、将軍は一休さんを見事だと褒め称える、といったお話です。
とんちを一言で言い換えるのならば屁理屈のようなもので、『このはしを渡るべからず』と立て看板が置かれた橋の前に来た一休さんは、橋の真ん中を歩き、端を歩いていないからオールOK、というオチなんて、正に屁理屈以外のなにものでもありません。
そんなとんちのようなことがアリエクスプレスのとある商品にも必ず書かれていたりします。

その商品は日本のみならず、世界的に有名なカードゲームのカードでして、この商品名や説明に書かれている文章は、ある意味、とんちのようなことになっております。
これらの商品には必ず、『100% 本物の中国の』あるいは『本物の中国の』と記載されております。

しかし、このカードの正式な中国語版は販売されておらず、台湾版ならあるものの、中国では基本的に日本語版か英語版が流通しているようなのです。
となると、この商品は海賊版であり、何の価値もないのですが、そこでアリエクスプレスの販売店は、中国にはちゃんと存在して正規に流通しているかのように本物のという言葉を盛んに使って販売を行い、これこそが本物であると開き直ります。
また、アリエクスプレスではオリジナルや正真正銘という言葉も盛んに使われますが、これらを言い換えると、お店が勝手に作った、であり、お店オリジナルという名の偽造品であり、端的に言い換えるのならばただの偽物だったりします。

現在では日本国内でもごく普通に流通するようになった、とある有名中国スマホメーカーは、10年位前に『iPhoneはすぐにうちの製品をパクるアル』と高らかに宣言をしつつも、当時のiPhoneにそっくりなスマホを新製品として発表したことがありますが、これもとんちというか、言ったもの勝ちというか、とにかくそういうお国柄なんだと思います。
だからこそ、今でもコピー品が何の問題もなく普通に販売されているのだと思われますが、アリエクスプレスにて有名カードゲームの本物は存在しないため、買うと嫌な思いをするので要注意、というお話でした。