コロナ禍のアリエクスプレスでは期限内に届かないから返金を求めても却下されてしまう時期があった話

アリエクスプレスには購入者を保護するルールがいくつか存在し、その中の一つに、発送してから既定の日数が経過したのに商品がユーザーの元へ届かなかった場合、返金をしてくれるルールがございます。

ただし、既定の日数というのが現在は75日間、以前は60日間に設定されており、発送されれば長くても10日間も掛からずに届いてしまう現在のアリエクスプレスの物流網なら全くの無意味な話なのですが、以前は2カ月くらい掛かって届くことがあって、このルールにお世話になることがありました。

今から思えば、2か月前に注文した商品が届かないのなら返金されるから安心だろと言われても、そこまで待たされるくらいならハナから買わない方が良いような気がしてしまうのですが、当時は届くまでに時間が掛かるのは当たり前、時には2カ月間も掛かるのが当たり前でしたので、60日間経過したら問答無用で返金してもらえるこのルールは有難いものでした。

しかし、新型コロナウイルスが原因でこのルールが突然反故される事態になりまして、それに伴い、アリエクスプレスが中国のECサイトであることをまざまざと見せつけられることになった出来事がございました。

では、コロナの影響でアリエクスプレスの物流が破綻と言ってもよい状況だった2020年5月17日に時計の針を戻させていただき、私が当時に書かせていただいたものをお読みいただけたら幸いです。

アリエクスプレスにおいて、新型コロナウイルスの影響が出てくるようになったのは、中国で感染者が激増し、海外への渡航を制限し始めた2020年3月の中旬ごろのこと。

その頃は、世界中の国々が人々の移動を制限する動きが見られるようなり、世界中の定期航空便の欠航が相次ぎ、それは中国発の航空便も同様に欠航ばかりになった影響から、アリエクスプレスで購入した商品がなかなか日本に届かなくなってしまいました。

コロナ以後、私自身に届かない荷物が現時点で10個以上あり、その内の3個に関してはもう返金を受けたのですが、今後の返金に関してはかなり難しくなりそうなルール変更が突然行われました。

アリエクスプレスで購入した際の返金保証において、未着となってしまった時のルールを改めてご説明をしますと、『購入した商品が約束された期日までに届かない場合には全額返金となる』と定められており、返金を受ける際に未着であることを証明する追跡情報を提示すれば、割と簡単に返金される仕組みとなっております。

コロナ以前のアリエクスプレスは、お店がちゃんと発送されていれば、返金保証期間内に届かないことは確率的に1%も満たないほどのレアパターンでして、届かない理由の大半は『お店がそもそも発送していない』からでした。

しかし、コロナ以後は定期航空路がなくなって日本へ向けてのルートが完全に塞がれている状況ですので、お店がちゃんと発送したとしても、多くの荷物が中国の空港や経由地の空港に足止めされており、代替輸送がうまくいかないのか、全く届かない事例が多発しております。

私が現在待っている荷物の追跡情報を見てみると、シンガポールや香港でもう1か月以上も足止めされているようで、現在も荷物が動く気配は全くなく、果たしてこれらの荷物が届くのか、届かないのかも全く分かりません。

発送された荷物が動かない状況が長期化しているからなのか、アリエクスプレスは2020年5月1日以降に購入した商品の返金保証をこれまでの60日間を突然90日間に延長しました。

ただ、このルール変更が行われる前に発送された荷物に関しては60日間に設定されておりましたので、発送されてから60日間が経過した商品は返金が受けられるはずで、コロナの影響で輸送に問題が出てきた3月中旬からそろそろ60日間が経過します。

しかし、60日間が経過したにも関わらず、返金が受けられなかったユーザーは相当いらっしゃるようで、私の元へも『返金が受けられない』とのメールを何通もいただき、どのメールにも返金を求めたが『辛抱強く待ってください』とだけ表示され、返金画面に進むことすらできなくなっているとのこと。

ちょうど私にも60日間が経過する注文があったので返金を求めてみたものの、やっぱり『辛抱強く待ってください』との一言だけで済まされてしまい、返金求めることすらできませんでした。

中国というお国は、自国の株式市場が大暴落すると、一般の投資家たちがさらに売ると暴落に歯止めが利かなくなること危惧し、株の売る時の設定画面から売りのバナーやボタンを消去し、物理的に株を売らせないことで暴落を食い止めるという力技を何度も行っております。

ある意味、目的を達成するためならば手段を選ばず、約束なんて反故にしてもかまわないお国柄だとも言えそうですが、アリエクスプレスでも、コロナから端を発した物流の混乱から、約束した時間内に届かなかったからと返金を求めても、『辛抱強く待ってください』の一言だけでユーザーを黙らせる力技を繰り出してきました。

確かに新型コロナウイルスという世界中の人々が初めて経験する困難な状況であることは重々理解しますが、商取引で、しかもアリエクスプレス自らが設定した納期を守れずに、アリエクスプレス自らが定めた返金のルールを簡単に破って、ユーザーには辛抱しろの一言だけなのはどうなのでしょうか?

アリエクスプレスは海外通販を簡単に経験できて、しかもお安く手に入るECサイトですが、日本の通販にはない、ECサイト側のエゴやわがまま、強引さを目の当たりにすることもできて、珍しい経験をさせてくれる通販サイトでもあった、というお話でした。

2020年5月17日に書かせていただいたものをお読みいただきました。

現在のアリエクスプレスで返金を求めるのは、不良品や色違いやサイズ違いなどの商品に不備がある時くらいですが、以前は受注したお店が発送しないことが非常に多く、購入する15回から20回に1回の割合で返金を求めるくらい、商品をそもそも発送してくれない事例がかなりありました。

文中にもありましたが、発送さえされれば時間は掛かれど届かないことはほとんどなかった一方で、コロナ禍になると輸送ルートがなくなってしまい、荷物が全く届かない状況になりました。

ただし、航空便は全くダメな状況が長く続いたものの、船便のルートが割と早くに確立され、時間は1か月ほど掛かりましたがちゃんと荷物が届くようになり、文中のような納期を超えてしまうほど待たされることは割と早くに解消され、返金をしてもらえないこともすぐになくなりました。

この時の荷物が届かない状況がかなり深刻だったのは確かで、荷物が来るのか来ない以前に、注文が生きているのかも全然分からず、それを問い合わせてもアリエクスプレスのお店は音信不通、じゃあ、仕方ないからと返金を求めても我慢しろの一点張りで、八方塞がりだったでなにも解決できない状況でした。

新型コロナウイルスは百年に一度の危機、なんてことを当時はよく耳にしておりましたが、それはアリエクスプレスでも、もう二度と起こらないようなことが色々と起こった時期でもあり、強権的なルール変更が頻繁にも行われることもあったレアな時期でもあって、今となってはもう経験できないことができた時期でもあったと今では思えたお話でした。